表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
5.嫌い嫌いも好きのうち、ということでした

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/142

プリパッツンによる接客のレッスン

「あ、もう敬語使えるようになってるんですね。笑顔も大分よくなってるし」

「はい……」

「そう! よかった。早速接客について教えますね」

 こいつの名前忘れた。女は手を合わせてあたしに丁寧に教えた。お辞儀の角度から歩き方、小さい子供相手にする時の接客の仕方、クレーマーの対処方法、表情の作り方……。クリクリに教わったことも少しあったので、おさらいしているようで安心できた。

 これを一通りマスターできれば、あたしを店に出しても申し分ないとプーが言っていたそうだ。そうか、頑張らないといけないな。

「うんうん。よくできてる! やればできるじゃない、クローンさん!」

「クローン……?」

 あたし、普通の人間じゃなかったのか?

 いや、あたしもこいつの名前を覚えていないから、人のことは言えないわけだが。

「あ、ごめんね。変なあだ名付けて。私、人にあだ名を付けるの好きなんです」

「私も好きです」

 敬語で一人称が私になったせいで、あたしの個性が消え失せた。社会人になったら、ずっとこんな感じで仕事することになるのか。一人称は大事だぞ。あたしの口調だって、大事だ。今からやきもきしていちゃ、世話ない。ストレスが溜まりそうで胃が痛くなる。

「そうなんだ。私のあだ名、どんなの付ける?」

「え……えーっと……」

 あたしは迷った。だってこいつの名前は覚えてないし、名前をもじろうにも、どうすればいいか。となると、見た目で付けるしかないか……?

 あたしはピンと思い付き、人差し指を立てた。

「プリパッツン」

「……え?」

「プリパッツンです」

 女はショックを受けた。少し太めの顔でぱっつん前髪だったから、そう名付けた。ぴったりのあだ名だと思うが、正直に言いすぎたか。身体的欠陥のことを言うと人が不快になるそうだしな。ここは謝った方がいいのか。

「あの、すみませ……」

 あたしが謝ろうとすると、女は必死の形相であたしの両肩を掴んで揺さぶった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ