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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
5.嫌い嫌いも好きのうち、ということでした

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本採用かどうかは今日の行動で決まる

「言いましたよ。ですが、アマネル・マープ様のように完璧な方でない小娘は、訊かれたことに素直に答えるべきです。学校では同級生でも、ここではアマネル・マープ様が上司です。わかりますね?」

「クリクリ……お前、ここでアマネプの話していいのか」

 他の奴らがなんのことかと口々に噂しているし。でもプーは気にした素振りを見せない。

「そんなことはどうでもいいから、遅れた理由を教えて」

「う……わかった。実は変な奴に尾行されてて逃げたら、全然知らない繁華街に行っちまったんだ。そこでいいおっさんがいて、道を教えてもらった」

「そう。あなたをつけるなんて、その人も相当の変わり者だね」

 ヘラッとプーはほくそ笑んだ。かなりむかっ腹が立ったぞ。

「店長のおっしゃる通りです。あなたみたいな人をつけるなんて……」

「小娘の肉々しい身体目当てだったのでは? おっぱいはでっぱいですし」

「ニクニクシイってなんだ。でっぱいってなんだ。でかいおっぱいってことか」

 また変な単語を作り出す奴が現れた。クリクリも言葉を創造する奴だったか。

「つまらん会話はしなくていいから。さっさと着替えて」

「あ、ああ」

 怒っているのか、無感情なのかよくわからない。でも一応信じてもらえたようだ。

「出て行ってくれないか?」

「服の上から着ればいいだけだよ。制服脱がなくていいから」

 と言われても、やっぱり着替えを男どもに見られるのはいい気がしない。

 あなたの着替えが見たくて見るわけじゃないとでも言いたげな顔で、店員たちが睨んでくる。あたしだって、お前らなんかに見せたくはないよ。

「本採用じゃないから。正式に採用するかどうかは……今日決める」

 プーが腕を組んであたしを見上げた。

「説得もするんだな」

「そうだよ。但し、説得は言葉ではなく、あなたの行動によるもの。あなたの行いが彼らを説得できるかどうか、今日一日で決まるから、心してかかること」

「ようし……受けて立ってやる」

「まず、敬語」

 ビシッと指を差される。プーは隣にいるクリクリに目配せした。クリクリはすっと前に出て、あたしに向かって辞儀をした。おお、本場のメイドならではの丁寧さ。

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