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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
1.深海の国の王様と不良なあたし
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あたしとダチになりたいんだろ?

「おっ、お前な、一言どころか二言くらい余計なんだよ! 黙らすぞ?」

「おお、怖い怖い。不良さんは怒らせると怖いですねー」

 いちいちかんに障ることを言ってくる。そのじっとりした目もむかつく。一発殴り飛ばしてストレス発散したい。

「短気は損気だよ。如何なる時も平常心を保たないと、取り返しの付かないことになるよ」

「お前……」

「何?」

「顔だけは可愛いよなあ……」

「余計なお世話」

 頬をぎゅっとつままれ、プーに先手を打たれてしまった。

「痛いだろっ! なんでお前、口だけじゃなくて手も乱暴なんだよ!」

「頬を摘むくらいいいでしょ。スキンシップだよ」

「ハ? なんでお前とあたしがスキンシップしてるんだよ」

「ぼくと仲良くなりたいんじゃないの? こんなにぼくに話しかけてきて。本当は友達が欲しかったんじゃない。ぼくと友達になりたいって、素直にそう言えばいいのに」

 プーはあたしのことをわかったように言い出した。

 お前が友達になりたいんじゃないか? だからあたしに突っかかるような真似を。

 この偉そうな性格は、なるほど、王様だったからか。あたしの予感は的中したわけだ。あたしは勉強ができなくても勘はいいらしいな。これなら世の中上手くやっていけるぞ。

「お前に話しかけたのは、お前があたしとダチになりたいと思ってるからだろ。心優しいあたしがお前に歩み寄ってやってるんだよ。感謝くらいしろよな」

「うるさい人だなあ。全く、可愛げのない……」

「お前にそっくりそのまま返してやるよ!」

 こいつとは初めて会った時からブーメランになる会話しかしていない。

 なんでこんなに噛み合わないのか。あたしと反りが合わないなんて、損するぞ。あたしがいれば、周りはみんな笑顔になれる。あたしの発言で、みんな笑える。

「ぼくは可愛げなくていいんだよ。そんなもの追求してないから」

「お前、さっき人間じゃないって言ったよな? 深海人ってやつか? 宇宙人?」

「だから人ではないんだよ。深海の生物」

 あたしはスマホを取り出してパパッと検索にかけた。

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