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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
5.嫌い嫌いも好きのうち、ということでした

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約束の時間に間に合わず怒鳴られると思ったが、客の前では怒鳴られなかった

「外人さんかい? 困ってるようだから声かけたんだが……外人さんはちとな」

「いや……外人じゃない、日本人だ。鼻筋が通っていて美人だがれっきとした日本人だよ」

「そうか……お前さん、どこに行きたい?」

「隣町のゲーセンだと思うんだが……」

「ふんふん……それなら、あっち行って、こう。左曲がりゃいい」

「ありがとな。おっさん」

「おっさん……。ああ」

 あたしはおっさんの言った通りに行って、ゲーセンに辿り着いた。恐らく、遅れてきたことにプーは怒っているだろう。こういう時、クリクリは言い訳しない方がいいと言っていた。

 あたしは意を決し、足を踏み入れた。

「プー……悪い!」

 何かを言われる前に先に謝ろうと思い、頭を下げた。

「ちょっと……お客様がいらっしゃる前で……」

「あたしの落ち度だ! 存分に怒鳴ってくれ!」

「お客様の前で怒鳴るなんてこと、するはずがないでしょう」

 プーがあたしの肩をぽんと叩いた。あたしは顔を上げて、周囲を確認する。

 客は既に大量にいて、どよめいていた。あたしを見てクスクス笑っている。

「わかったから。ね」

「……ああ……悪い……」

 プーはニコリと笑ってふところの広さを客に知らしめた。客もホッとしたようだ。

 そうか……。客の前で見せしめのように怒鳴るようなことはしないのか。ちょっとあたしの考えすぎだったか。取り敢えずプーのところに行く。そしたらプーに手を引かれ、スタッフルームに連れて行かれた。もしや、客の前でなければ怒鳴るのか?

 あたしはドキがムネムネ……いや胸がドキドキしながら中に入った。

 プーの他に優男とクリクリと知らない他の店員が数名いた。

「遅れた理由は?」

「言い訳はしない方がいいって……」

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