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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
5.嫌い嫌いも好きのうち、ということでした

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陰で努力するプーには、貫禄がある

 目を細めて、見定めるように流し目をするクリクリ。

「馬鹿かと思えば、案外大人な意見を言うのですね。私も小娘の言葉に賛同です」

「そうか」

「でも言葉で形容できないのはまだまだですね。頭が足りないのを言い訳しているようにしか聞こえませんし。そういうことは頭がよくて物事をよく知る人間が言うものですよ。小娘のような若輩者が言っても言葉に重みがありません。貫録がないのです」

 そしてクリクリに論破されてしまった。

 この状況、あたしが幼い少女に諭されているように見えなくもない。はたから見たら、絶対あたしの正気を疑うだろう。その後はこいつの頭のよさに周囲が驚嘆きょうたんするだろうな。

「アマネル・マープ様も初め、人に信じてもらえなかったのですよ」

「ん?」

「日本に来て一年ほどになりますが……最初は背が低いので小学生だと思われていました。実年齢は人間どもよりも遥かに上なのに……。ですが、アマネル・マープ様は賢さを証明しました。それでも高校生以上の年齢とは見てもらえませんでしたが……。今のあの方が在るのも、あの方の努力の賜物なのです。一年で積み上げてきた信頼と名声、そう簡単には壊れません。たった一年であのお方はし上がったのです」

「で、奴は貫録があると」

「そうです。アマネル・マープ様には貫録があります」

「ふーん……あいつも、陰で努力してたんだなあ」

「今もしておられますが」

 あたしが余計な一言を言えば、ここぞとばかりに突っかかってくる。この間もプーとあたしに無視されたのに、諦めずにプーを想い続けている。一途すぎて涙が出そうだ。

「お前とこうして長い間話すのは初めてかもしれないな」

「そうですね。私が小娘のおっぱいを揉むことしか考えていませんでしたし」

 お前のせいだったか……。あたしはハァと溜息をついた。

「でもこうして話す機会に恵まれて、よかったじゃないですか」

「そうだな……」

 あたしたちはしばしの間、見つめ合った。一言も交わさず、時間が過ぎていく。暫くしたら、プーが戻ってきて、大事なことを言い忘れていたと言わんばかりの顔で、あたしに向き直る。

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