陰で努力するプーには、貫禄がある
目を細めて、見定めるように流し目をするクリクリ。
「馬鹿かと思えば、案外大人な意見を言うのですね。私も小娘の言葉に賛同です」
「そうか」
「でも言葉で形容できないのはまだまだですね。頭が足りないのを言い訳しているようにしか聞こえませんし。そういうことは頭がよくて物事をよく知る人間が言うものですよ。小娘のような若輩者が言っても言葉に重みがありません。貫録がないのです」
そしてクリクリに論破されてしまった。
この状況、あたしが幼い少女に諭されているように見えなくもない。傍から見たら、絶対あたしの正気を疑うだろう。その後はこいつの頭のよさに周囲が驚嘆するだろうな。
「アマネル・マープ様も初め、人に信じてもらえなかったのですよ」
「ん?」
「日本に来て一年ほどになりますが……最初は背が低いので小学生だと思われていました。実年齢は人間どもよりも遥かに上なのに……。ですが、アマネル・マープ様は賢さを証明しました。それでも高校生以上の年齢とは見てもらえませんでしたが……。今のあの方が在るのも、あの方の努力の賜物なのです。一年で積み上げてきた信頼と名声、そう簡単には壊れません。たった一年であのお方は伸し上がったのです」
「で、奴は貫録があると」
「そうです。アマネル・マープ様には貫録があります」
「ふーん……あいつも、陰で努力してたんだなあ」
「今もしておられますが」
あたしが余計な一言を言えば、ここぞとばかりに突っかかってくる。この間もプーとあたしに無視されたのに、諦めずにプーを想い続けている。一途すぎて涙が出そうだ。
「お前とこうして長い間話すのは初めてかもしれないな」
「そうですね。私が小娘のおっぱいを揉むことしか考えていませんでしたし」
お前のせいだったか……。あたしはハァと溜息をついた。
「でもこうして話す機会に恵まれて、よかったじゃないですか」
「そうだな……」
あたしたちは暫しの間、見つめ合った。一言も交わさず、時間が過ぎていく。暫くしたら、プーが戻ってきて、大事なことを言い忘れていたと言わんばかりの顔で、あたしに向き直る。




