好きなどという言葉は、相手に迷惑でしかないって
大事そうに話しつつも、自嘲気味に笑った。
プーは確か、クリクリが従者になったのは不本意みたいに言っていたが。もしかして、小娘どものおっぱいに興味を示してから、迷惑がっているのだろうか。
クリクリは不憫なほどぞんざいな扱いを受けている。
「でもいたんです。その方がアマネル・マープ様。私が生涯付いていくと決めた方で、私が日本に行きたいと申し上げた時も、快く承諾してくださったのです。そんな素敵な方に付いていかないなんて馬鹿ですよ。大馬鹿者です。恥知らずです」
「プーってやっぱ、変わった奴なのか」
「変わり者ですね、相当。王としての威厳や才覚もお持ちでいらっしゃるのに、みすぼらしい者、ひもじい者にも手を差し伸べる。それは、同情からくる感情ではない……私を認め、私を使ってくださる。その喜びを与えていただけた。それが私の王様です。あなたも我らの王様に使っていただけること、光栄に思ってください」
やや上から目線な物言い。クリクリがプーを敬愛していることは本気で伝わってきた。
プーのことを伴侶として愛そうとは考えないのか。こいつの考え方、如何にも……って感じなんだが。好きなんじゃないのか。
その気持ちを押し隠して、隣でいられることを望むのか?
「……悲恋ってやつだな……」
「おや。何をどう解釈されましたか」
同情してしまったあたしに、クリクリは訝しげにあたしに訊いた。
「いや、お前プーが好きなんだろ」
「勿論。アマネル・マープ様が世界で一番尊いです。おっぱいやケツよりも尊いです。あのお方のことが好きであれば、好きなどという言葉は迷惑でしかないことに気付くべきですね。アマネル・マープ様をそのような言葉で縛りたくはないのですよ。私はお傍にいるだけで幸せです。小娘のように、違う世界にいるわけではないですし、同じ種ですから」
それは、恋人であるよりも、友人であることを第一に考える考え方だった。
比較対象が少々残酷だが、こいつにとっては、おっぱいやケツは世界で二番目に尊いのだろう。執心されている、あたしの部位が世界で二番目か。
……こいつの話を聞いていると、あたしがプーを好きだと言っているように聞こえる。
「なあ」
「はい」




