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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
5.嫌い嫌いも好きのうち、ということでした

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敬語もろくに話せない黒江

 プーという存在そのものが説得力の塊のようなものだ。プーは人からの信頼が厚いからな。プーがあたしを受け入れろと言えば、納得できなくてもするしかないと思うだろう。だから今この時が、あたしの真価が問われる時。あたしの隠された力を見せびらかす時。

 いつまでもこいつに頼りっきりじゃ、自立できないし。

「おい」

「え……はい」

「あたしを認めろ」

「いきなり命令口調で言われても……」

 つい、いつもの調子であたしの悪癖が出てしまったよ。

「黒江さん……」

 プーにも先行き不安という顔をされている。どうする、あたし?

 優男は初対面での衝突と今日泣かされたことで、あたしに対する不満と警戒心が、より高まっている。そんな奴を今この場で説得しろとプーに言われても、あたしにそんな問題解決能力はない。だから今日やるべきではないと思うが。後日改めて話をした方が、ほとぼりが冷めて説得しやすくなる……と考えた。それを口に出して言おう。

「なあ……」

「はい」

「あのさ、話をしようとしているところ悪いんだけど、その喋り方からしてまずアウトだってこと、そろそろ気付いてもいいんじゃない?」

 あたしのこの男勝りな口調が駄目だと?

「……店長のおっしゃる通りです。いきなりタメ口で話しかけられても困ります」

「そ、そうか。でもあたし敬語はあまり得意じゃないぞ……」

「努力する姿勢が買われるんだよ」

「……じゃ、じゃあもっかい言うぞ……言うます」

「何言ってるの……?」

 あたしの変な敬語にプーがイラッとしたような声で詰った。

「……仕方ないだろ。言い慣れてないんだから……」

「ほらまたタメ口で喋った。これは教育のし甲斐があるけど」

「……話になりませんね。店長も、何故こんな人を採用なさったのか、是非ともお聞かせ願いたいです。敬語もろくに話せないような人、いても仕方ないじゃないですか」

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