プーの正体が発覚
プーの正体が発覚し、あたしは困り果てた。
なんと声をかけていいのかわからず、感想を言うのも変だ。
説明する素振りもないし、訊いた方がいいのか? いや、あまり教えたがらなかったし、訊かない方が正解かもしれないな。プーを怒らせてまたぶたれるのは勘弁願いたい。
小さいくせに意外と力が強いんだよな……。
「……」
「……」
どっちも無言でいること数分。口火を切ったのはプーだった。
「水化粧といってね、これは……深海の水で化粧したものなんだ。深海の水ではない水に濡れると、元の姿に戻ってしまう。まさか、あなたに最初にばれるとは思わなかったよ……腐れ縁みたいなものなのかな?」
と、ヘリウムガスみたいな声で説明をし出した。
「腐れ縁……まだ会って間もないあたしにそこまで言うか? 随分とランクアップしたもんだな。そのみずげしょうってやつは水の化粧ってことだよな」
「そうだよ。水の化粧」
「なんで深海生物の姿に戻れるんだ? ここは地上だぞ?」
「地の上と考えるのは人間の傲慢かつ身勝手な考えだね。あなたたちのいる世界と深海の関係を勘違いしている。下にあるのはあなたたちの住んでいるこの世界だからね」
いきなり青天の霹靂説を披露されてしまった。あたしが信じてきた人間の説は簡単にプーに覆されたことになるが、プーがどれだけ偉いのかあたしは知らない。根拠がないし、プーの戯言かもしれないわけだ。王様っていったってピンからキリまであるだろう。
プーはピンらしいが、そもそも深海の国がどんなものか見られないそうだしな。
「んん? その顔は信じてないな……言い方を変えよう。ぼくは人間が来られない国に住んでいて、人間の住んでいる世界にも来られる。ぼくがそれを世界に許可されているからだよ。ぼくは別の世界にも干渉できる。人間はそれができない。これでわかったかな?」
耳が痛くなってきたが、この独特の声も王様ならではのことなのだろうか。
「でもお前、矛盾がいっぱいないか? あたしたちの世界で深海生物になっても、海の生き物であるお前は生きられないはずだろ? おかしくないか? 都合がよすぎると思うんだが。なんで深海の生物になれるんだ?」




