ゲームセンターに、また小悪党出現
プーがこそっと耳打ちしたので、あたしも返事をした。
プーは帰りだけはいつも一人で帰ることにしている。もちろん、バイト先に行くからだ。
あたしが一緒に付いていくと、他の奴が気になるから別行動を取ることにした。
カップル扱いされても気分が悪いし。あいつもそうだろう。
あたしも日和と朝華に一人で帰ることを伝えて、一人でゲーセンに向かった。
ゲーセンの前で、この間の、悪いチャラ男どもが電柱の陰に隠れていた。
「おい、お前ら」
「ああ? やんのか、ババア」
「テメこらすっこんでろババア。邪魔すんなや」
「カワイコちゃんに引っ叩かれたくせによー」
中指を立て、のそのそと中腰であたしの周りを歩き、挑発するチャラ男ども。
ここが正念場だ。あたしの短気を克服するチャンスじゃないか。冷静に対処するんだ。
すると、チャラ男の一人が手に持っているものを注目した。
「おっと、こんなところにウォーターインペットボトーール」
「お、いいねー!」
「やっちまえー!」
チャラ男どもが両手でピストルを構えるようにして、合図する。
そのペットボトルは明らかに、あたしかプーをいびるために用意してきたものだ。
もしかして、あたしはこいつらに水をかけられるのか?
「ババアのデカパイになんぞ興味ねえが……」
「これに懲りて、もうオレらに文句言わなくなるだろ?」
「なあ?」
チャラ男どもに上からねめつけられ、あたしは押し黙った。口を開けば暴言を吐きそうだったから、何も言えなかったんだ。こういう時、どうすれば最善か?
そこへ、真の勇者が現れた。
「あなた方、もうここには来ないようにと言いましたが」
店長になったプーだ。だがいつもと口調が違う。いつもならもっと丁寧な喋り方をするのに、今日はなんだか粗末な敬語だ。プーにしては、最低限の敬語を使っている。
「おっ、カワイコちゃんじゃーん」
「よし、ターゲット変更」




