飯を早く食べる黒江、日和と朝華に突っ込まれる
英語の授業が終わると、次は昼食の時間だ。
日和と朝華があたしのところに来て弁当を食う。プーは数人の男子と女子に食堂に連れて行かれた。人気者は大変だと痛感するな。
ホント、あたしは人気者でなくてよかった。あたしはぶすっとしているし、愛想が悪いからな。プーみたいにいつでも笑顔をキープできる奴ではないし。
日和たちと会話しつつ、あたしは弁当のおかずをたいらげた。
「黒江様は召し上がるスピードが随分と速いのですね」
「もっとゆっくり食べる」
「飯は速く食った方がいい」
「ゆっくりと味わって咀嚼しなければ、消化にも宜しくないのですよ」
「そ、そしゃ……なんだ? その言葉は知らない」
「そ、しゃ、くです。歯で食べ物を噛み砕くことです」
「なるほど……一つ賢くなった。お前はプーよりも教えるのが上手いな」
「そうですか……? そんな、照れます。黒江様にお褒め頂き、恐悦至極に存じます」
いやんと自分の顔を手で押さえて日和は首をぷるぷる振った。
こいつ、実は相当なナルシストじゃないのか。あたしはそう確信した。
「日和は少し難しい言葉を使いすぎる」
「そうだな……そんなこと言われても、何かさっぱりわからん」
「敬語を学んでくだされば、わかりますよ?」
日和は敬語に関して博識だからな。自信満々なんだろう。顔によく表れている。
だがそんな奴がどうして、あたしみたいに敬語が不得手な奴に憧れるのか。
「なあ、日和。お前どうしてあたしに憧れてるんだ?」
「憧憬って素敵ではないですか?」
「童貞?」
「酷い聞き間違いですよ、黒江様。まるで男性に興味津々のようです。ドウケイ。ショウケイとも言います。憧れることと同じです」
お前は男性に興味はないのか。
「ふーん」




