プー陥落
「そうだな。あたしの面も割れてるし、また悪さする奴が来るかもしれないな」
「あのような人に会っても冷静に対応できる?」
「お前が指導してくれるんだろ?」
あたしはプーに決断を委ねた。プーはふぅと溜息を吐いて、観念した。
「んん。そうきたか……」
「それに、ボディーガードも必要だろ」
「……仕方ないなあ」
プーの参ったという顔が見られて、あたしはガッツポーズ。
「よし、陥落した!」
「陥落って……」
プーは赤くなった。プーの赤面は結構レアだ。ガチレアを引き当てた。
そんな初々しいカップルみたいなじゃれ合いをしていると、授業が始まった。
朝一の授業は日本史。日本史はあたし全然興味ないからなあ。ゲームでの知識くらいしかないし、勉強する気も起きない。漫画にしてくれれば読む。
日本史の先公は男だ。眼鏡をかけていて頭が卵の殻みたいにテカテカしている。
ついたあだ名は卵かけ眼鏡。ちょっと美味そうな感じがして最後でズドンと落ちる。
「はい。静粛に」
「卵かけ眼鏡先生、やっほー」
「誰がかまぼこ眼鏡ですか!」
この先公はよく噛む。肺活量と口の筋肉を鍛えた方がいい。
「今私のことを卵かけご飯と言った生徒、一一五六年の出来事を説明しなさい」
「一一五六……保元の乱」
「正解です。あなたの夢に卵かけご飯が出てくることを祈りましょう」
そしてたまに変な発言をする。卵かけご飯と聞き間違えたんだから、そいつの夢にお前が出てくるように祈るってことだよな? それ、拷問か何か、か?
こいつは嫌いじゃないが、諸々の要因があってあたしは苦手だ。




