やっぱりあの店が好きだ
名言みたいだが、言っていることはめちゃくちゃだ。
お前、どんだけ屁が好きなんだよ。屁に取りつかれでもしたのか? 万国共通の笑いだが、今は笑えないぞ。これは呼び名じゃないか。屁じゃない。臭くもない。
「たまにはゲップもしろってことか?」
「マナー的によくないと思うんだけど」
汚い話でも言葉を交わしたのは久々だ。やっぱりこいつは訊けば答えるから話が弾む。
思えば、あたしの相手をしてくれるから、話が軽快に進んでいたんだった。
あたしもこいつに心を掌握された一人だったのか。
「ごめんな」
「ん……?」
「ごめんな、迷惑かけて」
「もういいよ。過ぎたことだから。それにぼくも手を出した。ぼくも謝るべきだ。ごめん」
「いやあたしが悪かった。ごめん」
「いやぼくが」
「あたしが」
という、譲り合いではなく、悪いのは自分だの言い合いを長時間続けた。
きりがないので、両成敗ということにして一件落着だ。
「よかった。もう仲直りできないかと思った」
「仲直りするほどぼくら仲良かったかな?」
「それもそうだな……変なこと言った」
「うん。変だ」
そうやって笑顔になるところは、お前のずるいところだと思う。
「やっぱりさ、あたしバイトしたい。お前のところで」
「どうして?」
「あたし、子供の面倒見るの好きみたいだ」
「そうなんだ。でもゲームじゃなくてもいいよね」
「いや……ゲーセンがいいんだ。あたしが辛い時も苦しい時も全部支えてくれた場所なんだ。あそこじゃなきゃ駄目なんだ。あたしがよく行く店はあそこだから。あそこの子供にもいい思いさせてやりたい。それじゃ駄目か?」
「今までのあなたの行いが無に帰すことはないけど……」




