気まずい関係
翌日もその翌日も、一週間経ってもプーとは口を利かなかった。
プーがあたしと話さなくなると、プーに寄ってくる人間が増えた。みんなが遠慮していたみたいだ。あたしとは話しにくいんだろうな。
時たま学校に現れてはプーを捜すクリクリも、あたしには話しかけなくなった。日和も朝華もあたしにはできるだけ近付かないようにしている。
また一人になった。
でもこれは、全部あたしが悪かったんだ。あたしが放つ悪しき雰囲気のせいで、近寄りがたくしているだけなんだ。みんなが悪いわけじゃない。あたしが悪い……だから。
謝らなくちゃいけない。
あたしはプーに酷いことを言った。あの時、顔はよく見えなくてもプーが傷付いていることくらいはわかった。今にして思えば、声が震えていたんだ。
あんなことを言われて動じない奴なんていない。でもそれは人間の考え方であって、プーはもっと精神力が強い奴なのだと自己完結していた。思い込んでいた。
思い違いや短気を起こして取り返しのつかないことになるって言われていたのに。あたしはなんてことをしてしまったんだ……どうしようか。このままずっと一人なら、学校に行くのも辛い。どうか、謝るチャンスをくれないか。打開するチャンスをくれよ。
「なあ、プー」
「あ、安馬君の言う通り、黒江さんって汚い人だね」
「プープーおならするなんてありえない……」
「うっわ。きたね」
「でしょ。かなり下品な人なんだよね」
プーはあたしの悪口を周りに言いふらし、楽しそうに話していた。
なんであたしといない時はそんなに楽しそうにできるんだ。お前、あたしと一緒に話すの、嫌々やっていたのか? 少しは気にかけてくれていると思ったのに。
女子や男子がいなくなって、あたしはプーに一声かけた。
「プー……」
「屁をこくだけじゃ、状況は変わらないからね」
神妙な面持ちで屁を語る子供のようななりすまし高校生男子。実は馬鹿で合ってるよな。
「屁をこくだけじゃ、人は動かせない」




