商売の場では、理不尽なことも受け入れなくちゃいけないときもある
「可愛がってやるぜー」
「野郎と茶を飲んで何が楽しいのでしょう。お断りします」
プーがはっきりと断った。こういう輩には断言した方が後々因縁を付けられずに済む。
だが、しつこさは弩級で、こいつらはプーの腕を引っ張り、周りを取り囲んだ。逃げ道を封鎖した。プーの逃げ場はない。
「おい、テメ、めちゃくちゃ可愛いからって調子乗んなよ」
「体に教えてやる。ちょっと来い」
「隅々まで可愛がってやるぜ」
「必要ありません」
プーは毅然としてチャラ男どもに反抗する。しかし、多人数相手で体も一回りでかい奴らに力負けしている。ここはやはりあたしが退治してやらないといけないようだ。
「お前ら、やめろ!」
あたしのキックが炸裂し、まず一人の男を倒した。最初に倒したのはプーの手を握っていた男。次に、取り囲んでいる一人の男の鳩尾にパンチを決めてやった。もう一人には脇腹に裏拳をお見舞いだ。全員あたしの華麗な技にやられ、呻き声を上げていた。
悪者をやっつけてやったぞ。これであたしも正義の味方の仲間入りだ。
「造作もないな! 根性なしめ」
「……すみません、お客様……」
「う……いてて」
あたしがしたことを、代わりにプーが申し訳なさそうに謝った。チャラ男どもはプーには怒らずに、あたしを睨んだ。あたしも睨み返してやりつつ、プーに疑問を投げかけた。
「なんで謝るんだよ」
どうも納得がいかない。納得のいく説明をしてくれよ。あたしはお前のために、こいつらを倒した。なのに、何故あたしに礼を言わず、客でもない奴らの相手をする?
あたしのどこがいけないって言うんだ?
プーはフゥとため息を吐いて、哀れみの視線をあたしに向けた。
「乱暴してはいけないのです。ご理解いただけたのなら、お帰りください」
「でも……こいつらが悪いんじゃん」
あたしが床に転がる奴らを指差して言うと、プーはあたしを睨み付けた。
「あなたは出禁の方です」




