邪悪な人間の心は掌握できない
「ぼくの力を以てしても、あそこまで邪悪な人間の心は掌握できないみたいだ」
掌握するお前は邪悪じゃないのか。
「でもま。またお前に助けられたな……」
「信用されていれば、人は動かしやすいものだよ。あなたも考えて行動するといい」
「……ああ」
プーが優等生をしているのは、人を動かすためなのか。
あたしは全く違うから信頼されないし、あたしの意見も聞いてもらえない。
そうか……日頃の行いが招いた結果か。
学校の帰りにゲーセンに行く。これは決定済みだ。日和と朝華はあたしと帰りたそうにしていたが、日和には反省の色も見られ、あたしに声をかけるのを躊躇っていた。
あたしの迷惑にはなりたくないってことでいいんだよな? いいように取っておくぞ。
しょんぼりしていて声をかけてやりたくなるが、面倒なことになる前に退散だ。
ちょっくら走って汗でもかいてスポーティな不良少女になるか。
十分近く走って疲れたから休憩するか。歌を歌いながら歩いてゲーセンまで行こう。
「今日のご飯は~」
とそこへ、あたしの前を通っていく不良っぽい男が三人。全員派手な格好をして、チャラチャラした見た目だ。あいつら、可愛い女子でもナンパしに行くつもりか? カッコイイ女子には興味ないかー? あたしはここにいるぞー。
あたしのことなんてまるで眼中にない。あたしをスルーしていった。なんだこいつら。
ゲーセンの自動ドアが開いて、チャラ男どもは談笑しながら入っていった。
あたしはそいつらを警戒しつつ、ゲーセンに入っていく。日和の考えたボディーガードは名案だよな。あたしもそれになろう。それなら、接客とか下手でも役に立つだろ。
チャラ男は不審に動き回って、何かを探しているようだった。
「……お客様?」
「ん?」
「どうかなさいましたか……?」
「いや。べつに何も」
「そうですか……」




