プーの正論
「でも先生の言うこともわかるし……」
クラスメイトの意見は賛否両論だった。否定派はあたしの味方なのか。ダチになろう。
「お黙りなさい、生徒諸君。社会不適合者、犯罪者予備軍の肩を持つなど、許しませんよ。ルールから道を違えた人間を見て、あなたたちはこう思うべきです。あんな人間になってはいけないと。あんなのでも反面教師として学ぶことはたくさんあるでしょうね」
相も変わらず胸糞悪くなる奴だな。殴り飛ばしてすっきりしたいところだが、こいつを殴ったらあたしまで地に堕ちてしまう。ここは我慢強くいるしかない。
「先生」
「なんですか、安馬君。あなたの言葉なら聞いてあげてもいいですよ」
またプーには気前のいい先公の姿。プーにも腹が立ってくるな。悪い、八つ当たりだ。
「あなたは、教師の風上にも置けない人です」
「な……」
数学の先公は絶句した。そりゃ信頼している生徒にそう言われちゃ、たまったもんじゃないな。出てくる言葉が自分を賛美するものだと思っていたのだろう。
でもプー、お前やっぱりいい奴なのか。
「他人様のご子息ご息女を預かっているというのに、侮辱する行為は人としても最悪だと思います。訴えられてもあなたが裁判で勝つ可能性は低いですね。ぼくたちは彼女の肩を持っているのではなく、一般論を述べているだけですが、間違っていますか?」
「う……く……」
プーの言葉に手も足も出ない数学の先公。めちゃくちゃすっきりしたぞ。
「あなたの性格を今一度省みてはいかがでしょうか。あなたの非はなかったと、胸を張って言えるかどうか、ご自分の胸に手を当てて考えてみてください」
プーは流れるような言葉で先公に指摘し、胸を言葉の矢で貫いていった。
「……」
「悪いことをしたとお思いであれば、謝るべきではないでしょうか」
止めの一言。これで先公の考えも変わるか?
「……ごめんなさい、安馬君」
「ぼくにではなく、黒江さんに謝ってください」
先公はこちらをちらりと見て、フンと鼻を鳴らした。感じ悪いな。反省していないし。
「……ムカつく奴だな」




