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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
3.そういえばあたしは口下手でした

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新緑の国

「新緑の国は深海の国のように生きるための知恵など必要ないから。力が衰退していった。わたしも非力で困っている。この身体は動かしにくい」

「今日はよく喋るな」

「このことを話すと、朝華はお喋りになるのですよ」

 日和がぷーぷー頬を膨らませてねている。朝華は全く意に介さずって感じだな。

 深海の国というのがあるのだから、他の国もあるだろうと思っていたが、シンリョクの国と来たか。漢字がどんなのかはさっきの話ではわからない。新緑か深緑だと思う。

 でも二つあるということは、もっとあるだろうな。

 日和は普通の人間なのか?

「かく言う日和も実は新星の国から来たのです」

「なにぃいい?」

「もちろん、冗談ですよ」

 クスッと笑って、日和は悪戯っぽい笑みを浮かべた。あたしをからかったな?

「朝華が他にもこんな国があるって教えてくれたのです。ね」

「うん。新星の国の他に神剣の国、神門の国がある」

 真剣の国、審問の国……物騒な印象の国だな。漢字間違っているかもしれないけど。

「そんなことを教えられても、覚える気ないぞ」

「また日本に生物が来るかもしれないから、覚えておいて損はない」

「口で言われても覚えられないって」

「黒江様。深海の国はオンリーワンだって言ってましたよ。シンがその国だけ違うからと」

 つまり、プーは特別な国の王様ってことか?

 遠いところにいる奴だとは思っていたけど、異世界の生物で、しかもトップの国の奴だとは。出自まで恵まれているじゃないか。あいつは天から一物どころか十物ぐらいもらっているぞ。やっぱりあいつは羨ましくて憎たらしい。

 弱点なんかないんじゃ……人間よりも完璧な奴かもしれないし、あいつならあり得る。

「で、朝華はシンリョクの生物なのか?」

「わたしは新緑の精。妖精と同じ存在」

「黒江様。こういうことは聞き流してくださってもいいのですからね」

 日和は朝華の頬をブニーッと伸び縮みさせて遊んでいる。

「フィハ。ヒハヒ」

 日和、痛いと言っているのだろうか。

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