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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
3.そういえばあたしは口下手でした

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今日は黒江の誕生日


 高校三年になってから一週間。勉強が嫌いだったあたしが、勉強を始めたのは数日前のことだ。国語の点数は悪いが、言葉はちょっとだけ知っている。戒めとか難しいやつは知らなかったけど。プーに指摘されてから、ちょっとは調べるようにしたんだぞ。

 ……実は今日、あたしの誕生日だ。いつも以上にそわそわするあたし。

 この日のためにイメチェンして、髪をまとめてみた。誰かあたしの変化に気付く奴はいないか? そこでさりげなく今日が誕生日だということをアピールする。

 そうだ、あたしは祝って欲しい。自分の誕生日をダチに祝われたいんだ。高校最後の誕生日くらい、盛大に祝ってもらえないだろうか。みんなでパーッと楽しくやりたい。

 教室でいつも通り足を組んで座っているあたしの元に訪れる奴はいないか?

「黒江様。いつもの髪型ではないようですが」

 キター! ダチ第二号が来たぞ! 満をしての登場だ。いつもより華やかに見える。

「もう歓喜の嵐……」

「はい?」

「今日はあたしの誕生日なんだ。だから思い切ってイメチェンしてみた」

「そうなのですか。おめでとうございます」

 日和ひわはニコリと笑って言った。あまりにもあっさりしすぎていて、何を言われたかすぐに理解できなかった。憧れの人物の誕生日すら知らなかっただと?

 知っても動じないだと? 何故そんなに冷静でいられる?

 この天使は、サイボーグなのか……?

「あ、ありがとな」

「お祝いして欲しいのなら、言ってくださればよかったのに」

 眉を下げて、しょんぼりした子犬のような顔をする。悪さしたみたいで胸が痛むぞ。

「悪い。そういう風に素直に言うのはどうも苦手で」

朝華あさげが来たらプレゼントを買いに行きます」

「そうか。朝華の奴はいなかったんだな」

「はい。朝華はお手洗いに行っています。黒江様も一緒に行きたかったですか?」

「いや、そこまでは」

 連れションはちょっとな。一人が寂しいからって、トイレまでみんなと一緒とかはないぞ。子供じゃあるまいし、それはないから安心しろ。

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