謎が多いプー
「いいよ受けて立ってあげるよなんてぼくが言うと思う? そんな志望動機はお断りだね。さあ帰った帰った。ぼくも帰るし。じゃあね」
「あっ、アマネル・マープ様……私も一緒に参ります」
プーがあたしを通り過ぎようとしていると、クリクリも慌ててプーの後を追う。
「おい」
あたしが呼び止めると、プーは背中越しに返事をした。こっち向けよ。
「何か?」
「お前、あたしの心配して来たのか?」
「心配はしてないよ。暇だったから、からかいに来ただけ」
見返ると、ニヤと笑った顔を見せた。そしてプーはクリクリと二人で病院を出た。
相変わらず、謎の多い奴だ。ミステリアスなところが人間ぽくない。そうだな。
「あたしも帰るか……」
特に異常もなかったし、さっさと車のところまで行ってやらないと親が心配する。
車の中では質問攻めされた。普段あまり話さない父親の方がいっぱい喋っていた。あたしが大変な目に遭った時とか、危険な目に遭った時とかにも心配するんだろうな。
大事な仕事の取引もキャンセルしたらしいし……。あたしのせいで、商談も成立しないだろう。あたしのことを迷惑だとか思わないのか。
「よかった、飛香。無事でいてくれてよかったわ」
「ああ……うん」
「本当に心配したんだからね。たった一人の娘なのに……」
母親も母親で、泣き崩れそうになるくらい心を痛めていた。
あたしが好きだから、こんなに過保護になるんだよな。そうだよな、プー。
お前のおかげで、いろんなことに気付けた気がするんだ。
だから、これからもお前と話をしたいと思う。お前はどうだ――?




