日和と朝華
もう一人の美少女はふさふさのもみあげとぱっつんの前髪が特徴的だった。もみあげの方が後ろ髪よりも長い奴は割と珍しい部類に入る。あさげだかゆうげだかなんだか知らないが、こいつは華やかな美少女というよりは少し地味な印象がある。だがどっちも美少女なことに変わりない。こいつは同性に好かれそうな美少女だな。にしても小さい。プーより少し背が高いくらいか。こんなにちっさい高校生がいたとは。
……まさか、こいつらプーと関係のある奴じゃないよな?
「黒江……わたしと友達になるのは、いや?」
「日和たちがボールをぶつけたからですか? 黒江様……」
「違う。ダチになりたいなら歓迎してやるよ。とりあえず一遍に言うな。えっと、なんだっけ。ビワ? その黒江様ってのはなんなんだ。あたしを信仰してるのか?」
「黒江様。日和は舎弟になりたいのです」
「あたしの舎弟に? そいつはマジな話か?」
「もちろんですとも。日和のアネキ分は黒江様しかいません。そこらに転がっている男どもを一喝できる強さを持つ女性……そんな黒江様は日和の憧れの女性です」
ヒワって奴は、目をハートにしてあたしの手を握ってきた。
「そんな黒江様に運動音痴でボールコントロール皆無な朝華が、顔面にパスしてしまいまして、すみません。朝華も反省しています。どうか、許してやってください」
うるうると子犬みたいに瞳を潤ませて、日和はあたしに懇願している。
「黒江、ごめん」
あさげはあたしに頭を下げた。どうもあたしは美少女に弱いらしい。メイドのクリクリは例外だが、こいつらは悪気がないみたいだし、許してやるか。
「わかった。反省してるなら許す」
「ありがとうございます、黒江様」
ヒワは表情を明るませてニパッと笑う。表情がころころ変わる奴だな。まるで子供を見ているようだ。高校生だというのが信じられないぐらい、子供っぽい。
……演技じゃないだろうな?
「ありがとう、黒江。感謝する」
「ああ……」
あさげの方はあんまり表情を表に出さないが、ヒワは思いっ切り表情が出ている。作っているように見えるが、あたしの考えすぎだろうか。もし、そうじゃなかったら疑うのは悪いことだしな。よく知らない人間を憶測で判断するのはよくない。




