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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
2..ダチが増えたけど、あたしはやっぱりあたしだ

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おふくろの味


 今日は雨だ。雨の日はなんかブルーな気分になって好きじゃない。

 けど、たまには雨も降らなきゃいけないんだよな。だって農家の人とか雨が降ってくれなきゃ困るんだろ? テレビで観たんだけどさ。

 雨にずぶ濡れになって水もしたたるいい女にでもなるか。

 もう親はいないし、また適当にカップラーメンでも食って行くか。

 階段を下りてリビングに行くと、書置きと朝食がテーブルに置いてあった。

「……あ」

 あたしの食生活を気遣って、もしかしてご飯作ってくれたのか。

『いつもカップ麺でごめんね。お仕事行ってきます。母と父より』

 なんでこんなにタイミングよくいい奴らになっているんだか。

 今までの言動が信じられない。今までの行いが信じられないよ。

 プーに何か吹き込まれたのか?

 あたしは手紙をポケットに突っ込んで、目玉焼きと白米と味噌汁をレンジでチンした。

「いただきます」

 手を合わせて朝飯をガツガツと食べた。

 しんみりした気持ちになってきた。ブルーハワイな気持ちだよ。自分で言っていて意味不明だ。あたし、かき氷のブルーハワイ味はあまり好きじゃないから。

 周りには誰もいない。でも温かい食事が置いてある。温度は低いけど、温かいよ。

 久しぶりに食べる白飯のにおい。ちょっぴり甘い白米。味は薄いけど気持ちがいっぱい詰まっている味噌汁の味。おふくろの味っていうか、上品な味っていうか。

 そして独特な目玉焼き。アニメのキャラクターを模したものか?

 こういうことをする暇がなかったんだな……そうだよな。仕事忙しいもんな。

「……美味い」

 涙が出てくるのは、雨だからだ。きっと、そうだよな……。


 登校すれば、あたしを白い目で見てくる連中がいる。

 かばんを肩に担いで大股で歩く姿が女らしくないとでも言いたいのだろう。でもお前らに言われる筋合いはないからな。あたしは自分を殺すつもりなんかない。

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