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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
1.深海の国の王様と不良なあたし

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説教される黒江、親のありがたみを言われる

「あなたみたいに野蛮で面倒な人間が、どうしてゲームのようなものと戦えるのか、ぼくはずっと気になっていたんだ。あなたが戦っているのは人でしょう。ゲームのように仮想の世界と戦うような人物に思えない。それも一種の現実逃避?」

 あたしはコーヒーカップを持って、視線を落とした。ゆらゆらと波のように揺れ、あたしの顔を映す。

「あたしは……一人が寂しくて、だから一人遊びができるようにしていたんだ。ゲーセンなら一人でも遊べるし、遊ぶ金くらいならある。家で一人遊びなんてしても心が落ち着かない。ずっと内向的なことばかり考えてしまう。ゲーセンは……あたしには砂漠のオアシスと同じなんだ」

 本当は、何していたって、心の空虚くうきょな空間は埋まらない。

「……大袈裟な」

「あたしはゲーセンで金使って、親への当て付けをしてる。こんな不良な娘なんてもういらないって縁切ってもらえるように、あたしはどこにでも行ってやる。あんな親ならいない方がましだ。それで一人暮らしができればいい」

「自分でお金を稼げないあなたが、一人暮らしなんてできるとでも?」

 プーが静かに怒りの声を上げた。

 あたしはハッとしてプーを見た。プーは何故か傷付いたような顔をしている。

「だからこれからバイトして金貯めるんだよ」

「あなたのような人がアルバイトしたところで、お金を貯められるとは思えないな……親に養ってもらっているのに、そんな考え方なんて……あなたから離れていったのも、あなたがそんな考えだからじゃないの? 暴力を振るわれたわけじゃないなら、親に感謝しないといけないよ。文句を言われるのもあなたを心配して言っているのだから。それをうるさいと吐き捨ててはいけないんだ」

 プーに説教されてしまった。あたしはなんだか心が重くなった。

 あたし、そんなに悪いことをしていたのか。

 あたしの親なんて、あたしのことがまるで好きじゃないと思っていたのに。

「あなたのことを本当に愛していなかったら、あなたはこうして自由に過ごせないはずだ。学校も行かせてもらえず、ゲームセンターに通うこともできない。あなたを養うために汗水垂らして働いているんだよ。そのくらいは高校生なら、理解してあげないといけないんじゃない」

 あたしをとがめるように、プーはあたしの親の苦労を話す。

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