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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
1.深海の国の王様と不良なあたし

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悩むより行動すべきだと説かれる

「あなたこそ自己愛精神が大層強いようだね。可愛がられていないから? 普通は可愛がられている方が、自分が大好きになると思うんだけど。違うかな?」

 んーと首をかしげて独り言を呟きながらプーは考え事をしている。仕草はいちいち乙女だ。

 なんであたしが女でこいつが男なのか理解できなくなってきたぞ。

「ぼくはなるべくしてこの性格になったから。あなたはべつにそうではないでしょう。ひねくれたのはわかるよ。でもあなたはまだ若い。悩むより行動するべきだ。行動してから悩むべきだ。自分がどうして人と仲良くなれないのかもよく考えた方がいい」

 プーは思っていたより随分とお節介な奴だ。

 あたしに人生を説くのか。王様というより坊さんみたいだな。フサフサだけど。

「答えは?」

「ん? あたしの答えか……そうだな。考えておく」

 あたしが曖昧に返事すれば、プーはあたしをギロリとねめつけた。

「善は急げって言葉があるのに……なんでそう、あなたはいい加減なの。あなた見てるとぼくの怒りが収まらないんだけど……ああ、鬱陶うっとうしい。ウジウジした人だなあ」

 お前を怒らせていたつもりはなかったけどな。あたしの方がムカついてた。

 プーはガシガシと頭をかき、苛立ちを隠せないようだが、なんだかんだ言ってあたしが気になるようだ。あたしのことをこんなに心配してくれる奴は、こいつしかいないのかもしれない。

「客間に案内するから、ついてきて」

「ああ……」

 あたしの後ろを先程のメイドがついてきて、三人で客間に行った。

 こっちも無駄なもの何一つない。テーブルとソファが置かれているだけだ。

 ……他のメイドは何をしているのだろう。掃除が大変なことはなさそうだが。

 メイドがコーヒーを出して、プーの後ろに控える。一言も発さず、監視しているようだ。一応あたしを警戒しているということか。

「お前さ、あんまり物置かないんだな」

「もちろん。無駄なものは置かない、無駄な者は雇わない主義だからね」

「それにしても物がなさすぎじゃないか? 娯楽には興味ないのか」

「興味はあるけど、必要ないから。ぼくは無駄なことはしない主義なんだ」

 主義を連呼しすぎだ。どんだけ言いたがりなんだよ。

 プーはコーヒーを音も立てずに飲んだ。ロイヤリティー溢れる所作だ。

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