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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
1.深海の国の王様と不良なあたし

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王たる者の風格

「呼んだくせに何故すぐ帰らせようとするんだ。本当はこの家見せたくなかったのか?」

「いや……」

 プーにしては珍しく妖艶ようえんな笑みを浮かべた。

 背筋がぞくっとした。やっぱり人間じゃないんだなって再度理解した。

 でも理解できないぞ。なんであたしをすぐ帰らせようとするのか。あたしを連れてきたのは間違いだったと、そう言いたいのか? 言ってくれなければわからない。

 言わなきゃ伝わらないこともある。そうだろう?

「ぼくが君を帰らせたいわけは、わかる?」

「わからないな。せっかく連れて来たんだったら、ゆっくりしていってくれとか言うもんじゃないのか。日本だったらそうするぞ。上がっていってくれと」

「ぼくの国にはそんな考えはないよ。上がるなんて、ぼくより上になるみたいでいやだし。客をもてなすという精神はお店で発揮してる。だから他ではぼくらしくあるべきだ」

 続けて、

「あなたをここに呼んだ理由。寂しそうにしているからとか、同情したわけじゃないよ。ぼくはあわれみの心なんて持っていない。生まれも育ちも全て意味のあることだと思う。最初から成功の道を歩んできたぼくが言うのもなんだけど、幸せになれるかどうかの鍵は、自分自身が握っている。それを境遇のせいにするのはおかしいんだ。あなたは逃げているだけで、幸せになろうと思えば、幸せになれるはずなんだよ」

 結局こいつは明確な答えを言ってくれていない。さっきの質問の答えはなんだ。

「苛ついているみたいだね。そうか……あなたは読解力が皆無だった。ありゃま大変だ。じゃあ簡単に答えを言ってあげないといけないね。答えはぼくの家より自分の家の方がいいと思わせるためだよ。ぼくの家の方が、いて窮屈きゅうくつだと思うはずだけど。あなたには威厳というものがまるでないからね。礼儀も作法もきちんと学ばなければいけない。王たる者の風格も必要」

 言っていることは正しいが、いちいち癇に障る言い方しかできないのか。

 王ってやつは、どこでもこんな性格なのか? 王の風格とかほざいているし。

「お前、実はナルシか?」

「あなたほどではないと思うけど?」

「……」

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