ハーレムキング・プー
なんだなんだ? あたしとこいつ、いつの間に仲良くなった?
出会って数時間だよな? 犬猿の仲だったよな? だのに、何故だ? ホワイ?
「捨てられた子犬のような顔をしていたから」
「お前……あたしの心読んだな?」
「あなたの考えていることくらい、お見通しだよ。単細胞のあなたは、行動が至極単純明快だよね。他の動物よりも思考を読むのが容易いよ」
「単細胞じゃないぞ。あたしはたくさんの細胞でできてる」
「そうだった。人間様だったね」
いつもの嫌味な笑顔で見下してくるプー。
この野郎。屁みたいな名前しやがって、人間様を見下すとはなんて無礼な奴だ。
「人間様をなめると痛い目見るぞ」
「痛い目に遭ったのはどっちだったかな? ぼくはよく覚えているけど」
手を後ろ手に回して、プーはくるっと回った。仕草がいちいち女っぽいぞ。
「女みたいな顔しやがって、なんでお前はそんななんだ」
「女みたいな顔は余計。ぼくは、生物学上は男だから。考え方が女性だとしたら、それは女性に囲まれて育ったからだと思うよ」
「お前が言ってた従者って奴も、女なのか?」
「そうだよ」
「お前、そんなハーレムみたいな……」
「何かな。はーれむなんて。おいしそうな名前だね。豚の新たな部位かな?」
聞き慣れない言葉を片言でオウム返しに言って、キョトンとしている。
まさか、プーよ。お前、カマトトぶっているのか。可愛くないぞ。顔だけは可愛いが。
「ボケるなよ。そこはボケるとこじゃないだろ。もっと女を手玉に取ってるところをアピールするところだろ」
「聞いたことない名前だよ。どういう意味?」
「男が女を弄び、ありとあらゆる風俗の遊びをする。それがハーレムだ」
もちろん、嘘だ。
そしたら、プーは顔を伏せて怒りで震え出した。プライドを傷付けられてご立腹か。
「……そんなことを、このぼくがしていると?」
「ああ、そう思っていたが」




