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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
1.深海の国の王様と不良なあたし

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なんでもできてしまうお前が羨ましいよ

 人をき付けるような魅力がないんだろうな。ダチも少ないし。

 あたしの性格が悪いのか、それとも頭が悪いのがいけないのか。頭がいいプーみたいになれば、あたしも人に好かれることができたのだろうか。

 いや、あたしはプーみたいにはなれないな。

「どんなに頑張っても叶わないことってやつだ……」

 生まれ持っての容姿以外、あたしは人に自慢できるようなところがないからな。あたしが今まで頑張ってきたスポーツだって、あたしにはなんの足しにもならなかった。初めから才能がなかったんだ。それ以外のことだって、あたしのものになってくれなかった。

 なんでもできてしまうお前がうらやましいよ。あたしの欲しいものを全部持っているお前が。

 あたしは化粧し終えて、家を出た。

 このまま夜の旅にでも駆り出したい気分だ。

 近くの公園に行った。失業したおっさんどものたまり場といわれている。今日は一人のおっさんがブランコに座っていた。あたしが近くに行くと、おっさんはこちらを向いた。無精ひげを生やしていてだらしない奴だ。きっとやつれてしまったんだろうな。それからショボショボの口を開いた。

「あんたもわけありかい」

「ああ、そうだよ」

「あんたみたいな若い奴が、こんなとこ来ちゃいけねえ」

 おっさんは首を振ってあたしに忠告した。

「そんなの、お前に関係ないだろ。あたしの好きにさせろ」

「わしみたいなのもいれば……悪い奴もいる。あんたを利用しようとする悪い奴もいるのさ。小奇麗にしくさって、あんた襲われでもしたら……」

 あたしのことを心配してくれているのか。親にすら心配されないあたしを、気遣ってくれるのか。お前、いいおっさんだな。妻も子もいるのか?

「お前。なんでそんないい奴なのに、失業したんだ?」

「べつに失業しちゃいねえ。家族に追い出されたんでい」

 おっさんは鬼気迫る顔であたしに肉薄した。度胸の据わったあたしでもびびるぞ?

 あたしは一歩、二歩後退こうたいして、おっさんから離れた。

「いい奴に見えるかい。そりゃあんた、見る目がねえな」

 おっさんはだらしない顔の割に、ぎらぎらした目であたしを見た。

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