表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
1.深海の国の王様と不良なあたし

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/142

テレビに取材されているプー

 このままこの生活を続ければ、遅くないうちにあたしは病気になる。

 野菜とか、肉とか、魚とか、もっと食べたいものがあるんだよ。だから、バイトして金貯めて自分を養えるようになれば、親にカップラーメンを食せとは言われなくなる。

 その方があたしの人生にはいいはずなんだ。

 湯を入れてから三分待つ。なんとはなしにテレビをつけて、チャンネルを回した。

「……なっ?」

 なんとプーが取材されていた。

 まさかあたしを追い返したのは、そのためだったのか?

 あたしはてっきり邪魔者だから追い出したのだと思っていた。そんなこと一言も言ってなかったしな。あたしに教えることじゃないかもしれないけどさ。

 プーはテレビの中で、笑顔で経営のなんたるかを語っていた。楽しそうに話すなあ。

 いつも決まってプーは客のことを第一に考えている。客のためならば命令されても構わない精神はなんだか心が痛むぞ。貧乏なプーが頑張って客に尽くしている姿が浮かぶ。

「お前……そんなにお客様のこと大好きなのか……」

 あたしはいつの間にかテレビに釘付けになっていた。

 あたしをここまで魅了するなんて、テレビ番組も中々やるな。面白い。受けて立ってやる。

 あたしはテレビを掴んで、間近でガン見した。

 ガン見して勝負すること数十分。カップラーメンは伸び切っていた。

「だがあたしは伸びたラーメンも好きなんだ……カップラーメンじゃなければな……」

 涙が出そうなくらい心細い気持ちで、カップラーメンをずるずるとすすった。

 観たい番組がなくなって、あたしは暇になった。親も帰ってこないし、散歩でもするか。

 化粧とかすれば高校生だってこともばれないだろうし。

 二階に上がって、母親の化粧品を勝手に使って、それなりに上手いメイクをした。

「やっぱりあたしは美人だな」

 褒め称えつつ、ミラーの前でポーズを取る。そうだ、あたしはナルシズム入ってるさ。

 この自慢の黒髪も、長い睫毛も、母親とは似ても似つかない。誰に似たのか、不明だ。本気出せばモデルにだってなれるし、これでミスユニバースだって狙えるぞ。磨かなくても光っている原石だからな。

 でもあたしにはカリスマがない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ