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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
1.深海の国の王様と不良なあたし

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技をかけられる

「なんだその敬語。あたしの言ったこと、引き受けるってことか?」

「都合よく解釈なさらないでください。あなたの言うことに従えません。そう申し上げているのです。全く、これだから勉強してこなかったゆとりは」

 なんだと? お前、ゆとりを馬鹿にするなんて、どこのエリートだ。

 ゆとりにだって頭いい奴はいっぱいいるはずだ! お前の意見、絶対に認めない。

「ゆとりを馬鹿にするにも程があるぞ」

「あなたのようなゆとりを馬鹿にしているだけですが、何か? ええ、もちろんゆとりにも頭のいい方もいらっしゃるでしょう。ですが、あなたのような残念な脳味噌の方は……」

 皮肉をたっぷり込めてあたしを嘲笑あざわらう。

「出会った時からお前を一発殴りたいと思っていたところなんだ。ちょっとツラ貸せ」

「私の顔は貸せるような代物ではありません。殴られ屋でも当たってください」

「もういい。ぶち殺し歯抜きしてやるっ」

 プーの胸倉を掴んでグワッと拳を振りかぶった。なのに、プーは微動だにしない。

 その時、さっきの優男が居合わせた。

「あっ! さっきの迷惑な客! 店長を殴ろうとするなんて……」

 くそっ。一番面倒な奴が来てしまった。

 あたしはプーを解放してやり、少し離れた。するとプーが衣服を正して、あたしの腕を掴む。それからあたしの視界が一転して地面に軽く転がされた。手を抜かれたようだ。

「……は?」

 少ししてからあたしはプーに技をかけられたことを理解する。

 プーがまた衣服を正していた。そして駆け付けた優男と話をしている。

「お前……こんなこともできるのか……?」

 パンパンと手を叩いて、プーは容易たやすいとでも言うように平然としていた。

「店長の嗜みです」

 たしなみってなんだ……? 店長がそんなことやる必要あるのか?

 お前、警官にでもなった方がいいよ。




 あんなになんでもこなす奴を、あたしは今まで知らなかった。

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