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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
1.深海の国の王様と不良なあたし

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また始まる漫才

「お前が女装して色んな人間に媚を売る姿とか、想像してないからな」

「……あなたのこと、軽蔑します」

 しまった。本当のことを言ってしまった。あたしはなんて正直な奴なんだ。自分で自分が可愛いぞ……本当にいとしい奴め! 損することしか考えてないな。

「ケーベツしたら損するのはお前だからな」

「何故私が損するのでしょう」

「あたしのダチ第一号になりたいくせに、強がるなよ」

「寝言は寝て言え」

「おい。今タメ口になってたぞ? 客に対してそんな口利いていいのか? それにあたしらの行ってる学校、特別な理由がなけりゃバイトしちゃいけないんだろ。ばらすぞ?」

「……お客様ですか? ではなんなりと」

 プーの考え方、執事みたいだ。漫画で読んだぐらいの知識しかないけどな。

「なら命令してやる。あたしは客だ。女装してあたしを雇わせてくださいと言え」

「申し訳ありません。当店では草刈り機は取り扱っておりません」

「なんだその答えは。あたしを笑わせる気か?」

「そのようなつもりは毛頭ございませんが」

 女装はやめて、雇わせることだけを言ってみるか。

「そうか。よし! あたしを雇え! そしたら学校にもこのことは黙っててやる!」

「却下します」

 あたしは笑顔で決めポーズを取って脅した。プーはゴミを見るような目で即答。

「ハァ? なんでだよ!」

「お客様のような方を雇うのは、私の意思に反します」

「な……お前! あたしは仮にも客だぞ? じゃあばらすぞ! 学校中にばらすからな!」

 あたしは口をつくままに叫んだ。どうだ、これで参ったか。

 だが、プーは平常心を保ったまま、鋭い眼差まなざしで返答する。

「どうぞ。お客様のなさることに私どもは一切口出し致しません。お好きなようになさってください。ただ……僭越ながら、一言申し上げますと、彼らはお客様の言葉を信じてくれるのでしょうか」

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