プーを尊敬する店員と口論
「人に訊くなら、あなたも訊かれるのは当然でしょう。自分ばかり質問するなんて、不公平だと思いませんか? だからあなたに質問しました」
「真面目か! プーのことか。あたしは大嫌いだな」
「大嫌いなら、かかわらないでください。あなたが来ると店長が迷惑だと思います」
「それはお前が言うことじゃないだろ?」
なんでこいつにそんなことを言われなくちゃいけないんだ。まるで恋人を取られまいとしている彼女気取りの女みたいだ。
うわ、ちょっとこの構図は気持ち悪いな。想像するの、やめた。
「今にわかりますよ」
あたしを睨みながらそう言って、優男は景品を分別する作業を開始した。
優男かと思っていたが、意外と言う男だ。こんなにあたしに反論してきた奴は、今までいなかったんじゃないか? 先に突っかかってきたプーは除く。
「さっさと出て行ってもらえませんか?」
「……お前こそ、なってないんじゃないか? あたしは客だぞ?」
あまりにもぞんざいな態度なものだから、少し癇に障って言い方がきつくなる。
「迷惑かける人を客と思わないのは当然ですよ。お客様は神様、を履き違えているのではありませんか? いいお客様は神様という意味ですからね。だからあなたはお客様ではありません。さっさと出て行ってください。迷惑です」
次々とあたしを排除しようとする言葉を投げかけてくる。完全に不利な状況に立たされた。そんなにあたしは迷惑をかけていたか? そんなつもりはなかったが。
「……悪かったよ。じゃあな」
あたしは観念して、スタッフルームを出た。ドアをゆっくり閉めて、ゲームの続きでもすることにした。何をしようか。太鼓もダンスもクレーンもやったし、他にやることといえば……なんだろうな。ガキくさい遊びしかないぞ。
とそこへ、動物のぬいぐるみが景品の、クレーンの手前で話し声が聞こえてきた。
「お上手です。後少し奥の方ですね」
外向きのプーの接客だ。接客相手はなんと小さい子供だ。しかも女子。
子供相手に笑顔で敬語を使うなんて、あたしには考えられないな。タメ口でいいじゃん。
「うーん……難しい」
「では私が見本をお見せしますね」




