プーはなんでも知ってる全知全能の神か?
「いいえ。日和が悪いのです……黒江様に好かれるような人間ではないことが、日和の最大の欠点だったのです……くすん」
「べつに嫌いじゃないって。面倒くさい奴だなあ」
「面倒ですみません。ですが、日和は黒江様が大好きなのです……」
「朝華よりもか?」
「ほへっ」
驚いて素っ頓狂な声を上げた。長年の付き合いであろう、朝華よりも好きということはないだろうと思って言ってみたんだが、悩ませてしまったな。悪いことをした。
「あ、ごめんな。さっきの話、聞かなかったことにしてくれ」
「日和は黒江様も朝華もどっちも好きなのです……どうすればいいのでしょう」
頬を押さえて悶々としている。ちょっとは人の話を聞け!
「前言撤回するって」
「日和は……日和は……」
あたしの言葉も耳に届かず、これをすること数分。最寄り駅に着いた。朝華を起こして、みんなで電車を降りる。ばたばたしていて忙しないが、これが子供ってもんだ。
あたしたちは子供なんだ。
駅の端っこにいって、邪魔にならないようにちょっとだけ散らばる。
「みんな、ちゃんといる?」
「私はおります、アマネル・マープ様。どんな時でも、アマネル・マープ様のお傍におります。病める時も、健やかなる時も、お手洗いに行かれる時も、お風呂に入られる時も、お着替えをなさる時も、妄想される時も、ご自慰をなさる時も。ずっとお傍に」
気持ち悪いぞ。
「点呼取るよ」
そして見事にスルーしていくプー。クリクリもスルーされるとわかっていてやるんだから、相当のマゾ体質だな。可哀想な星の下に生まれたんだ。そっとしといてやる。
プーとクリクリを除いて年齢順に行われた。道長、長谷川、新河、あたし、阪中、日和、朝華の順番だ。全員ちゃんといる。
同い年の下の四人は誕生日順みたいだ。プー、お前どこで日和と朝華の誕生日知った? あたしは自己紹介の時に話したとしても、二人は話していなかったじゃないか。あたしですら知らないのに、お前は神か? なんでも知ってる全知全能の神か?
「どうして安馬様は日和の誕生日を?」




