ダチだから、わかり合えるさ
もちろん、プーと二人で天使のハッピーなセットだ。主にあたしの目の保養。
「黒江様。見てください」
小声であたしを呼び、つんつんとつついてくる。
「なんだ?」
「朝華が寝ています。安心して眠ってしまったようですね」
「マジだ」
朝華もあたしの隣に座って、あたしにもたれかかりそうになりながら寝息を立てていた。こいつも愛らしい姿をしているから、あたしの目の保養要員だ。
カクッカクッと眠りこけている朝華の肩を持って、もたれさせた。
お前らも、気を遣わなくていいんだぞ。甘えてもいいんだ。
「黒江様、お優しい……」
「このくらい、どうってことない。それに軽いしな」
「朝華の体重は幾らくらいでしょう」
「うーん……そうだな。一キロの重みも感じないが……」
ハッとしてあたしは我に返る。なんだ、この軽さは。羽のように軽いぞ。本物の天使か?
「そう……ですか。やはり、朝華は人間ではないのですね」
日和は暗い顔をしてしまった。朝華が新緑の国から来た奴だってこと、信じ切れないでいたんだな。そりゃそうだ。いくらダチだからといって、虚言癖があるのかもしれないと思ったりもするだろ。あたしだってプーのことを最初は信じていなかった。
日和は悪くない。
手放しに褒めるのも、何もなしに信じるのも難しいんだ。わかっているさ。
信じてやれなくてごめんって思っていることも、朝華だってわかっているだろう。ダチなら、思いは通じ合っているはずだ。
あたしはそのことを口にせずに、二人の肩を抱き寄せてやった。
それを言えば、日和は泣き出してしまいそうだったから。電車の中で泣かせると、後々面倒なことになる。他人に事情を説明する義理もないし、これでいいだろう。
「ありがとうございます。黒江様、大好きです」
「あたしも大好きだよ」
日和が目を細めて和んでいる。あたしも目を細めて気持ちを伝えてやった。




