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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
6.あたしのダチはいい奴ばかりです

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風邪を引かない話

「あのメイド、おもしろい」

「変な方だと思います。日和の赤丸家を恐れないなんて」

「日和、お前凄いとこのお嬢様だったのか?」

「……ご存じなかったのですか?」

 日和はこの世の終わりみたいな顔をした。ビックリ仰天ぎょうてんって感じだ。

 道理でお前の喋り方が丁寧だと思ったよ。きちんとした教育を受けてきたんだな。あたしみたいに反抗せずに、恭順にしてきた結果がこれになると。

 変わった奴だとは思っていたが、まさか超有名なお嬢様だったとは。無知すぎた。

「そんなところも、黒江様の魅力だと思います」

 ホホホとマダムみたいに笑って、日和はあたしを持ち上げる。本当に、こいつはあたしを一切貶けなしたりしない。これでもかと褒めちぎる。プーと大違いだ。

「っくしゅん」

 プーが可愛いくしゃみをしてくれた。あどけない感じがグッド。

「アマネル・マープ様……お風邪ですか?」

「いや……ぼくが風邪を引くなんて、ありえないんだけど……」

 それは自慢じゃないと思うが、事情を知らない奴からすれば自慢に聞こえなくもない。

 プーが人間じゃないから風邪を引かないと推測したが、どうだ。

「えぇー。あたしなんて、しょっちゅう風邪引きますよぉ」

「私も長谷川と同じく、しょっちゅう風邪を召します」

「僕は体調管理を整えていますから、風邪なんて引きませんが」

「私も引かないなあ」

 あたしも風邪は引かないな。健康だからな。

「日和も風邪を引きません。風邪を引けば、お父様たちが心配なさいます」

「わたしも」

「あたしもそうだな……」

「ん」

 じっとクリクリに睨まれた。こんな時でも敬語を使えと言うのか?

「マロム・クリム。いいから」

「はい……」

 プーに止められ、しゅんとするクリクリ。あいつも黙ってれば天使なんだけどな。

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