美少女達の脅し合い
お前らが先にいじめたくせによく言うよ。でも口答えしない阪中、お前、健気だな。
「アマネル・マープ様のおっしゃる通りでございます。小僧をいじめるのはやめましょう」
「主にいじめていたのは、安馬様とメイドさんですよ」
日和が発言した。日和の勇姿、無駄にはしない……!
「人間の小娘如きが、アマネル・マープ様に口答えする気ですか。恥を知りなさい。私が本気を出せば、小娘など一ひねりできますよ。八つ裂きの刑に処されたいのですか?」
日和よりも小さいクリクリが、腕を組んで日和に喧嘩を売っている。喧嘩というよりは実際のところ脅しなのだが、日和は気付かないだろう。
「冗談で言っていることなのですか? 日和を一ひねりしたら、お父様とSPが黙っていませんよ。メイドさんも一ひねりされてしまいます。ですので、日和を脅すような真似はやめてください。日和をなめてかかると、痛い目に遭います」
日和もちゃっかり脅し返している。
ちっちゃい美少女たちが脅し合っているなんて、女の社会は末恐ろしいな。
「人間風情が私に勝てるとでも?」
「日和のお家を一般家庭のお家だと勘違いされています?」
「アマネル・マープ様は世界の国の王様ですよ? 人間の国の金持ちなど、クズカゴに捨てられたゴミ同然です。たいしたこともないくせに、刃向かうなんて頭が悪すぎます」
「日和が知らないのに、凄いなんて言われたって嘘としか思えないです」
両者自分の主に対するプライドが高く、一歩も譲らない。なんて醜い争いだろう。
プーもみんなも冷めた目で二人の戦いを眺めている。朝華も眠そうに欠伸した。
「おい、お前ら……」
「小娘は黙りなさい」
「黒江様になんという口を利くのですか。許しません。メイドさん、あなたは日和の敵です。いいえ、全世界の黒江様ファンの敵です。黒江様を小娘呼ばわりまでするなんて……許しません。これは罪です。日和たちへの挑戦状です」
ビシッと指を突き付けて、クリクリに宣言した。
「お前こそ、アマネル・マープ様の素晴らしさに気付かず、こんな下劣な小娘を敬愛するなどという暴挙、決して許される行為ではないです。さっさと改心なさい。そしてアマネル・マープ様の偉大さに気付くべきです。傅きなさい、愚かな人間よ」
似た者同士がいがみ合い、ここは女の戦場と化した。




