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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
6.あたしのダチはいい奴ばかりです

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ポニーテール好きの阪中

「今行く」

 母親があたしの部屋の前で呼びかけた。日和と朝華が迎えに来た。さっさと支度して出ないといけないな。ボーっとしてた。人を待たせるのはまずい。

 階段を駆け下り、あたしは行って来ますと乱暴に言い放った。

「悪い。待たせた……!」

 ドアを開けて二人を視認する。二人はううんと言って、あたしに気を遣わせない。

「早く行きましょう」

「行こう、黒江」

「ああ。二人共、ありがとな」

 あたしは二人と一緒に待ち合わせしている駅まで向かった。

 駅には既に全員が集合していて、あたしたちが最後だった。クリクリは金髪メイドの姿だ。今日は黒髪じゃないのか……。あのさらさらロングストレートもよかったのに。

 新人なのに遅れてくるなんてとガミガミ言う阪中だが、どうやらあたしのポニテに見蕩れているみたいだな。顔が赤い。隠し切れていないぞ。お前も一端いっぱしの男だったか。

「おや。アマネル・マープ様、ご覧ください……あの顔」

「んん? 本当だ……あれはもしや海に行く前から潮にあてられた顔かな……?」

 こそこそと深海の国コンビが阪中をいじり出した。

「な。なんでしょう、店長」

「素直に見蕩れたって言えばいいのにー。サカナくん、カッコ悪いよ?」

「うるさいですよ。なんでそんなことをあなたに言われなきゃならないんですか。第一、こんな人のこと、好きじゃありませんし。嫌いですし。僕がただ、ポニーテールが好きだったということです!」

 こんなところでお前のフェチを暴露されても。どう反応したらいいんだよ。

 こいつが狼狽うろたえる姿は見ていて清々しい気分になる。もっと動揺しろ。

「ぷぷぅ。阪中くん、黒江ちゃんのこと好きなんだぁ。おもしろぉい」

 長谷川が変な笑い方をした。ぷぷぅってなんだ。あたしがプーと言った時は、みんな屁をこくなとか言うくせに、なんでこいつには誰も言わないんだ。あたしより屁らしい声で言ってるぞ? 空気の抜けそうな言い方だ。

 なんでだ。不公平じゃないか。屁こきはこいつの方だ!

「まぁまぁ。みんな、そんなにいじめないであげて」

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