日和と朝華からのプレゼント
日和はフリフリの可愛らしい白の水着を、朝華はスクール水着みたいな露出の少ない白の水着を購入した。どっちも白が好きなんだな。
その後も見ては購入、見ては購入を繰り返し、デパートを往復する。
二人の荷物持ちまでやらされて、あたしを手伝うのはもうやめたのかと思った矢先、日和がいい店を発見したようで、中に入っていった。
「おい……」
「こちら、ください」
気に入った物を指差して店員にオーダーした。しっかりと金を払って商品を受け取る。そしてあたしが持っていた荷物を受け取って、日和はありがとうございますと告げた。
「すみません、黒江様。荷物が多くて荷物持ちをさせてしまって。……黒江様の水着を買いに参りましたのに、目ぼしいものがなくて日和たちがお買い物を楽しんでしまいました。こちらがお礼です。黒江様、いつもありがとうございます」
そっと手を添えて、日和があたしにさっき買った物をくれた。
「いいのか? 結構高かったと思うが……」
「黒江様のお気持ちに比べれば安いものです。どうぞ、受け取ってください」
「あ、ありがとな……」
あたしは感極まって涙が出そうになった。ダチからのプレゼント、一生大事にする。
「中身は、もうおわかりですね」
「わたしも黒江に何か買う。日和、持ってて」
「ええー。こんなに? すみません、黒江様、持っていただいても宜しいですか?」
日和が申し訳なくあたしにお願いした。
「いいぞ。あたしのためだろ。お安い御用ってもんだ」
日和も朝華も微笑んで、あたしに礼を言った。礼を言うのはあたしの方だが。
朝華からのプレゼントも受け取ったが、あたしには二人に渡すものがない。どんなものが好きかもわからないし、あたしの好みとはベクトルが違う。
水着を買う金くらいしか持って来ていないし、お返しは今日できないかもしれないな。こいつら、諭吉大量にはたくし。バイトやってる奴は金銭感覚がどうかしているのか。
「ごめんな……あたし、お前らにお返ししようにも、高価なものは買えそうにない」
「日和はその気持ちだけで十分だと思いますよ」
「わたしもそう思う。プレゼントはお返しもらうためにするものじゃない」




