めんどくさいツンデレ美少年
容姿は人間のようでいて、どこか儚げな雰囲気の青年だった。体中に鱗のようなものが顔にちらほらと見える。軍服のような青い服を着ているが、確かに人間ではないようだな。人型なだけで、人間ではない。何故人型? という疑問もあるけど。
だが、これはどうもフィルターがかかっているような気がしてならない。
「お前、これ美化していないか? お前、こんな美形な男じゃないだろう」
「失敬な! 別にしていないよ」
プーは真っ赤になって否定する。おいおい、これはよくない結果になりそうな感じだ。
地雷を踏み抜くかもしれない。やめておこう。
プーは恐らく、美形な男になりたい願望があるんだ。そうだろうな。女っぽい顔をしているのならせめて美形になりたいよな。美少年じゃなくて。うんうん、わかるぞ。その気持ち。万年女男といわれ続けるだろうお前のことだ。夢を見るのもわかる。
「何か凄く失礼なことを思われている気がするんだけど……絞めていいかな?」
プーは物凄く癪に障るような顔をして、あたしを睨んでいた。
「何? あたしの方がお前を絞めたい気分なんだが、勝負するか?」
「深海生物を甘く見ちゃいけないよ?」
「人間なめんじゃないぞ」
顔を突き合わせてバチバチと火花を散らす。
ここにいるプーは仮の姿だ。ならば、どれだけ痛め付けても文句はないよな?
「お前今人間の姿じゃないか」
「ちゃんと深海生物の姿をしているよ。化粧で隠してるだけだから」
「コスプレか!」
「な! なんでぼくがコスプレなんていう低俗な格好をしてると思うの? 頭おかしいんじゃないの? だから、日本に来るために隠さなくちゃいけないことなんだよ」
そんなに隠さなきゃいけないことを、何故あたしが訊けば答えた。
何故あまり教えたくない正体をあたしに教えた。
恥ずかしがってまで見せる必要があったのか? やっぱりお前は、体は正直な奴だ。あたしには心を開いている。あたしとダチになりたいんだろう? そう言えよ。
だからあたしは精一杯ぶつかりにいってやった。
「頭おかしいのはお前の方だ! コスプレが趣味な奴だっているんだぞ? そうやって低俗とか低能とか言ってりゃいいと思ってるんだな、頭の硬い奴!」




