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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
5.嫌い嫌いも好きのうち、ということでした

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いつの間にか……

 なんだかプーのこの言葉は、もうすぐ別れが近付いているように聞こえたんだ。

 だったらもう大丈夫だよねって続きを言われそうで、少しだけ……少しだけ怖くなった。

 あたしはこいつといることが、こんなにも楽しく、愛しく思えるようになっていたんだ。

「いえ。なんでもございません」

 あたしがかぶりを振って否定すると、プーはあたしをじっと見ただけで何も言わなかった。

 プーのことだから、言わずともわかっていることだと思うが。

「あの……プーさん」

「ええ? ぼくのことは店長と呼んでよ。それじゃ別の誰かになってしまわない?」

 プー様と呼べばいいのか?

「店長にお訊きしたいことが……」

「何かな」

「店内には誰もおりませんが……大丈夫なのでしょうか」

「大丈夫だよ。お客様がもう帰ったことは把握してる。店ももう閉めるから。今何時だと思う?」

「二十一時頃だと……思いますが」

「んーん。もう二十二時五分前。みんなには残業代も出すから」

 プーが腕時計を見せてくれた。針はプーの言う通りの時間を差していた。そんなに時間が経っているとは、思わなかったが……時間が経つのは早いな。

 プーが指示を出して、今日のところは一先ひとまず解散ということになった。後日企画を進めていき、キャンペーンの最終確認なども行うそうだ。企画段階では成功と見ても、できない場合もあるらしい。途中でリジェクト、つまりポシャにされることもあると。

 初めての企画だ。ポシャにされても仕方がない。でも、できれば成功を収めたい。

「みんな、ご苦労様。今日はよく働いてくれたね。黒江さんも研修ご苦労様」

「ありがとうございます。お疲れ様でした」

 プーに一言挨拶を言ってから、あたしは帰ることにした。

 プーのことを侮っていた頃が昔日せきじつだったように思わされる。

 ……そうか……、


 ――好きになっていたんだな。いつの間にか。

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