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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
5.嫌い嫌いも好きのうち、ということでした

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あたしの美声を聴け!

 優男はちょっとだけあたしを認めたが、あたしのことが嫌いなようだし、今もこうして意地悪で昔のCMを歌えとか言い出すし。あたしの美声をそんなに聴きたいのかよ。

「私が代わりに歌ってあげましょうねー」

 とプリパッツンが代わりに歌ってくれた。しかも意外に上手い。ビブラートまで利かせて、原曲じゃなくて自分の歌にしてやがる。鼻の穴がでかい奴は歌が上手い。これはあたしの分析による結果だ。後太っている奴は声がよく出る。細い奴より上手い可能性が高い。

 あたしも分析ができるぞ!

「ありがとうございます」

 歌ってくれたおかげであたしも歌詞がわかった。代わりにやってくれたみたいだが、優男はそれでは満足しないだろう。そういうことくらいはわかるからな。

「……あなたはどうするんですか」

「はい、歌います」

「………………え。歌うんですか」

 そして耳を押さえる一同。あたしは音痴じゃないからな。プロ並に上手いと子供の時、親に絶賛されたぞ。そんなあたしを馬鹿にするとは、お前らそれでも先輩か!

 天使のように美麗な歌声を披露してやると、全員が昇天した。聞き入ったか。

「……苦しい……」

「耳が痛いですぅ……」

「声がでかすぎだよ、クローンちゃん……」

「……僕が余計なことを言わなければ……」

 どうやらあたしの声量は壁を突き抜けるらしいな。店内まで響いていると、全員がスタンディングオベーションをしているはずだが。

「お遊びもほどほどにして……再度プレゼンに取りかかろうと思います」

 事態を丸く収めてから、あたしはプレゼンをした。さっきより上手くなったが、ぎこちなさはまだ残ったままだった。みんなもちゃんと見ていてくれたが、慣れないことをするのは大変だな。バイトするのも大変だということ、身に染みてわかったよ。

 質問されることも全部予測していたから、きちんと回答できた。それもこれも全部、あたしの努力とプーのちょっとしたアドバイスのおかげだな。

「よくできてるじゃないー。ねえ」

「そうですねぇ。やりますねぇ」

「あなたにしてはできている方だと思います」

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