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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
5.嫌い嫌いも好きのうち、ということでした

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クリクリの恋は実らない

「アマネル・マープ様? 私のことを、クリクリとおっしゃいませんでしたか?」

「え。あ、本当だ。ついそう呼んじゃったよ」

 プーは頭を押さえてハハハと白い歯をこぼした。クリクリがプーを見咎める。

「アマネル・マープ様。マロム・クリムでございます」

「うん」

「二人して見つめ合うのはやめていただきたいのですが」

 あたしは二人が愛し合っているんじゃないかと勘繰かんぐる。でも、赤くなったのはクリクリだけで、プーにその気は全くなさそうだ。プーの気持ちとしては、可愛い我が子みたいな感じだろうか。愛情は芽生えても恋情は芽生えないんだな。哀れな懸想けそうだ。

 やっぱりクリクリの恋が実る日は、永遠に来ない。

「すみません……アマネル・マープ様……」

「うん。わかったから。黒江さん、あなたにコツを教えよう」

「コツ?」

「うん。これを頭の隅に置いて考えれば、誰もがあなたの企画に納得するようになる。そのコツを教えてあげる。メモしてね」

「は……はい!」

 プーはあたしに失敗を経験させてから、コツを教えるつもりだったのか。

 あたしが訊かなくても自分から教えて、やる気にさせる。実にプーらしいやり方だ。

 プーの言うコツというやつは、全員が着目するところを踏まえて企画を練ることだそうだ。全員が見るところにはクセがあって、一人一人違う。優男はリスクについて指摘する。ぽっちゃり女は面白いかどうかを考える。他の奴らはそれぞれ完成度に着目し、意見を聞いて思い付いたことを提案するようにしているそうだ。プーの分析によるとそんな感じ。

 それは、ずっと見てきたプーだからこそわかることか。いや、あたしも冷静さを欠いていなければわかったことかもしれない。でも、プーにはあたしはそれができないと思われていたわけで、現にできなかった。

「ありがとうございます」

「どういたしまして。これで大丈夫かな? もう質問はない?」

「どうして教えてくださるのですか?」

「あなたが危なっかしいから。ぼくの単なる気まぐれだよ。気にしないで」

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