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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
5.嫌い嫌いも好きのうち、ということでした

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初めてのプレゼン

 さっき教えてもらわなかった奴らも来た。名前なんだっけな。教えてもらってなかったっけ。バイトやり始めてから覚えたらいいか。研修のうちから覚えなくてもいいよな。

 全員が着席したのを確認して、あたしはホワイトボード前に立った。

「では、プレゼンを始めたいと思います」

 拍手を送られ、あたしはお辞儀をした。初めてのプレゼン。上手くいくかどうかはわからないが、できるだけ後悔しないように、頑張りたい。

 変わるチャンスをくれたんだ。プーも他の奴らも……あたしを支えてくれている。

 あたしは拳を握り、説明し始めた。

 全員があたしを見て話をしっかりと聞いていた。あたしがどもったり詰まったりしても、笑わないで真剣に見守ってくれた。こういう、聞く人の姿勢というものもこうやって人前で話さないとわからないものなんだな。先公になった気分だ。

 ちゃんと聞いてくれていると嬉しい。そうか……。あたし、悪いことしてたな。

 つまらないからってめちゃくちゃやりすぎてた……悪かったな。

 ホワイトボードを有効活用して説明を終えた。最後に質問を受け付ける。真っ先に手を挙げたのは、予想通り優男のサカナカとかいう奴だ。さかなくんじゃなかった。

「はい」

「では、サカナカさん」

「家族キャンペーンに関して質問です。家族がいない人は気持ちよくないのではないですか? お客様とお話していると、身寄りのないお客様もいます。それによって気分が悪くなる人も出てくることは考えなかったんですか」

 痛いところを突いてくる。あたしはバイトしたこともなくて、家族がいない客がいることも知らなかったし、気が回らなかった。そのことを指摘してきている。あたしの重大な欠点を的確に言い当てて、優男はあたしの対処を見ているんだ。

「はい。申し訳ありません。若輩者であるがゆえに、私の考えが及びませんでした」

「そうですか、ありがとうございます。では、今後改善の余地ありということですね?」

「はい。そうでございます」

 プーはいいと言ってくれたが、こんな意見が出ることは想定済みだったのではないか?

 もしや、あたしがこうして質問攻めにあうことを知っていたのではないか?

 あいつが忘れていたなんてことは……ないだろう。

 その後も店員たちに質問され、あたしは平謝りした。どれもこれも欠点だらけで、もう少し煮詰める必要があったんだ。

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