プーに背中を押され、黒江は店員達にプレゼンをすることに
あたしはできるだけ詳しく説明した。口だけの説明じゃ物足りなかったのに、プーの理解力の高さに舌を巻かされた。プーが補足したことは全て正解だったし、こいつ、本当に頭よくてなんでもできるな。弱点なんて正体ばれる時しかないじゃないか。
プーはニコッと笑って大きく頷いた。
「うん。中々いいと思うよ。みんなを呼ぼう。ぼくとマロム・クリムがお客様の応対しに行くから、みんなにプレゼンしてね」
あたしは一旦安堵したが、また先のことが思いやられてきた。
果たして、あたしに他の奴らを納得させられるほどのプレゼン能力があるかどうか。
「ありがとうございます……」
「そんなに気張らなくていいから。失敗してもまたやればいいし。本当にバイトしたいなら、成功するまで帰さないけど、あなたは数をこなした方がいい。できなくはないでしょう。一回で合格しようと考えなくていいから」
頭を下げるあたしを、プーは背中を擦って落ち着かせようとする。こうされると、やはりプーの年齢があたしよりも遥かに上だということがわかる。時折子供っぽい面も見せるが、あたしに比べたら爺ちゃんなんだろうな。考え方も大人びているし、クリクリも婆ちゃんくらいの歳なんだろう。でも、遥かに上って一体、何歳くらい上なのか。
「はい……」
「じゃあね」
プーは背を向けたまま手を振って、スタッフルームを出た。
あれが老齢の奴だったら、可愛げのある爺ちゃんになるか、凄味のある爺ちゃんになるか……二つに一つだな。できたらあたしは後者が嬉しいが、プーなら前者になりそうだ。
あたしには、爺ちゃんも婆ちゃんもいないしな。早くのうちに他界した。プーたちのこと、爺ちゃん婆ちゃんだと思うことにするよ。
プーが呼んだみんなが戻ってきた。
「お疲れー。企画、聞かせてもらえる?」
「結構早かったですね。あなたにしては、ですけど」
「お疲れですぅ」
「お疲れ様です。プー様からお聴きしました。黒江さん、お話聞かせてください」
誰だ、プー様とか呼んでいる奴は?




