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本気の花を咲かせて。  作者: 社容尊悟
5.嫌い嫌いも好きのうち、ということでした

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したいこと、見つかった

「ぼくは企画書の段階で没にはしないから、安心してプレゼンしてくれていいよ。あなたがやりたいと思ったこと、した方がいいと思ったことを企画立案してくれたらいいから。何も思い付かなければ、気付いたことをまとめれば自然とアイディアは浮かんでくるはず。それでも浮かばなければ、あなたにこの仕事は向かないと思ってやめた方がいい」

「かしこまりました」

「わからないことがあったらどんどん訊いてくれていいから。まずは自分でやってみて」

 あたしは頷いてプーの言う通りにアイディア出しから始めることにした。

 あたしがここでやりたいこと、改善した方がいいと思うことか……十分に満足できる環境だと思うけどな。だとしたら、あたしがここでやりたいことに絞られる。

 あたしがしたいことはなんだ。

「では……早速店内を見てきます」

「いってらっしゃい」

 あたしはスタッフルームを出て、店内を見渡した。子供がわんさかいて、中坊や高校生、大人までいる。みんなが笑顔で、時にはムッとして、ゲームを心から楽しんでいる。十円玉を握り締め、筐体きょうたいと睨めっこしている奴もちらほら。

 でもこの空間は温かくて心地いい。あたしの安らぎの空間。

 この空気を吸うのが、楽しくてたまらないんだ。ゲーセンに通い始めたあの頃が懐かしい。フラッシュバックするようで、あたしは目を閉じる。

「……いいよな」

 いつか、あたしもこいつらみたいに、家族と一緒にゲーセンに来たい。それで笑顔になって、この一時を過ごしたいんだ。それが今のあたしの夢だ。

 叶うといいな……。

 ……あ。あたしがしたいこと、見つかったぞ。

 あたしは一呼吸置いてドアを開けて、スタッフルームに戻った。

 椅子に座って、資料を見ていたプーが視線をこちらに移動させた。

「早かったね。もう思い付いたの? それとも整理ができたって感じかな」

「はい。その両方です。私は家族を対象にした企画がしたい。そう思いました」

 あたしは自分の胸に手を当てて、プーに伝えた。プーはうんうんと頷いて、

「ふーん……それで?」

 とまた素っ気ない態度で、あたしの話をうながした。

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