第八話 クエスト
ラミサブルは石造りのそれなりに大きな街だった。大きな市が開かれ様々なもので溢れていた。
「凄いな」
あまりの活気に俺とアキラとミリアは驚いていた。
「そりゃね、ここはこの国アースムーブの中の全てのものが集まる貿易都市だからね」
だからこんなに活気があるのか。高価なものから怪しいものまでいっぱいある。
「まずは、宿屋に行きましょ、ここで少しクエストをこなして行くから」
一泊10ゼルの宿屋で部屋を確保してクエストギルドに向かった。
俺はクエストギルドのクエストボードに張り出されている依頼書を見ながら言った。
「で、どんなクエストを受けるんだ?」
「まあ、なるべく簡単なやつからね受けていくわ。お!、これなんて良さそうね」
アリアが手に取ったのは討伐クエスト。内容はグラスミアと言う大型モンスターの討伐。報酬は4500ゼルと百夜の杖。
「大丈夫かな」
「大丈夫よ。今回は三人だけで行ってきてね」
アリアが言った。
「アリアは来ないのか?」
「ちょっと用事があるし。慣れといたほうがいいしね。じゃ、受けてきてね」
アリアが依頼書を渡して言った。
「じゃあ、私は用事があるから」
アリアはそのままクエストギルドから出て行った。
「仕方ない。行くか、アキラ、ミリア」
「だな」
「うん」
思考を切り替えて受付に依頼書を渡す。
「グラスミア討伐依頼三人での受注ですね。はい、受理しました。御武運を」
とりあえず準備するためにクエストギルドを出る。
依頼書には街から西に二時間行った所にある洞窟にグラスミアはいるらしい。
「まあ、とりあえず依頼者に話を聞いてみないとわからないな」
「じゃあすぐ行くか?」
「そうだな」
そんなわけで依頼者がいる店に向かった。依頼者は鍛冶屋だった。
店に入る。
「いらっしゃい、どんな武器をお探しで」
「いや、依頼を見て来たんですけど」
「おお!、待ってたよ。依頼内容は依頼書どうりグラスミアを討伐して欲しいんだ」
「わかりました」
「頑張ってくれよ。あそこは僕の採掘場なんだ」
俺達は街を出た。
「さて、じゃあ、さっさと行くか」
「だな」
西の洞窟に向う。
二時間後。洞窟の前に到着した。
「ここだな」
アキラが中を見ながら言った。
「いったいグラスミアってどんなやつなんだろうね」
「行けばわかるさ。行こう」
俺達は洞窟に入った。中は何処からか明かりが入ってきているのか明るかった。
「気をつけろ。どこから来るか分からないからな」
俺は二人に言った。
洞窟の中にはモンスターがいなかった。
「おかしいな。普通なら何か出てきても良いはずなのに」
「ん?、水の音だ」
アキラが言った。俺には聞こえないがアキラには聞こえたようだ。
「この先から聞こえる」
「洞窟湖でもあるのか?」
「わからないな。行ってみよう」
洞窟湖に向かって歩いた。洞窟湖に出た。
それはグローリアに来て以来一番綺麗な光景だった。
天井に穴が開いていてそこから光が降り注ぎ洞窟湖の中にある鉱石に反射し洞窟内は様々な光で輝いている。
「凄いな」
と湖をよく見ると中心に何かいた。
「あれがグラスミアだな」
外見はイカのようだが体が鉱石のようになっていて柔らかそうな触手が水面に無数に飛び出している。
「多分、鉱石を食べてあんなになったんじゃないかな」
ミリアがグラスミアを見て言った。
「たぶんな、こりゃ、攻撃するのがきつそうだな」
「矢は弾かれそうだ。俺も魔法を使う」
「ああ、ならやるか。っと、ミリアあいつの近くまで湖凍らせれるか?」
「やれないことはない」
「なら、やってくれ。じゃないと俺が攻撃出来ない」
「わかった。行くよ。凍れ!」
湖の半分位が凍る。
「よし、行くぞ!」
「「おお!」」
俺は剣を抜き氷に飛び乗り一気にグラスミアに接近し斬りつける。
ガキィン!
「くっ!、やっぱ硬い」
俺の攻撃はあっさり弾かれグラスミアにダメージを与えることが出来ない。
グラスミアが触手で俺を攻撃してくる。俺は避けたり斬ったりして防いでいた。
グラスミアの触手は斬れるが次々に再生している。剣じゃダメージを与えられない。
「アキラ、ミリア!」
俺は2人に叫んだ。2人は頷いた。
「「ザンダーライトニング!」」
雷の槍がグラスミアに直撃する。どうやら効いているらしいな。俺も攻撃したいんだが触手に阻まれるのと火の魔法しか使えないからな。たぶん軽減される。
「カイト!」
「危ない!」
「ぐあ!」
考え事していて接近する触手に気付かなかった。俺は触手に吹っ飛ばれた。
「くうぅ」
さらに触手が足に巻き付いて俺を持ち上げ氷に叩きつけた。
「がはっ!」
氷が割れて俺は湖に落とされた。グローリアオンラインには窒息死がある。
俺はすぐに水からあがろうとした、だが触手により更に湖に引き込まれてしまった。
(クソ、水のせいで剣が重い)
触手を斬ろうとするが剣が重くなりうまく振れない。
その時グラスミアに衝撃が走った瞬間触手が緩んだ。その隙に抜け出し残っている氷の上に乗った。
「はあ、はあ」
どうやらアキラとミリアが雷撃をグラスミアに喰らわせたらしい。一歩間違えば俺も喰らってた。まあ、助かったから良かったけど。
「助かった。サンキュー!」
何にせよ助かったのは事実だから一応礼を言っておく。
「気を抜くなよ」
「わかってるよ」
しかし、硬い体に剣でダメージを与えるのは難しい。かと言って俺の魔法有効とは言えない。
「どうする」
そう呟いたときグラスミアと目が合った。
「そうだ!」
「何かわかったのか、カイト!」
「ああ、少しだけこいつの動きを止めてくれ」
「それが必要なのか?」
「ああ」
「わかった、ミリア!」
「うん」
「「ザンダーライトニング!」」
雷の槍がグラスミアに直撃し一瞬グラスミアの動きが止まる。
「今だ!、うおおおお!」
氷からジャンプしグラスミアの目に剣を突き刺した。
いかに硬い皮膚を持っていたとしても目だけはどんな生物でも柔らかいと思ったんだが、どうやら成功のようだ。
だがまだ致命傷ではない。
「炎剣!」
言葉と共に剣が燃え上がるようにイメージする。剣が燃え上がる。グラスミアが苦しみだした。
「ギュルルル!!」
暴れるが俺は一歩も引かずに更に一歩踏み込む。炎は更に激しさを増す。
「おおおおお!」
更に踏み込んだ瞬間グラスミアが光の粒子になり消えた。
「ぷは~、何とか倒した~!」
俺は岸に戻って地面にへたり込んだ。
「まったく無茶するな、カイトは」
「本当、成功したからよかったけど失敗したらどうするのよ」
「悪い悪い、今度は気をつけるよ」
ふと、メニューを見ると戦い初めてから二時間経っていることを告げていた。
「結構かかったな。さて、急いで帰ろう。日が暮れる前に街に戻らないと」
俺達は急いで洞窟を出て来た道を急いで戻った。
街に着いた時には日が暮れていた。
「さて、報告に行くか」
依頼を受けた鍛冶屋に向かった。店に入ると店長が出てきた。
「おお、帰ってきたかでどうだった?」
「はい、きちんと討伐してきました」
「ありがとう、報酬はギルドの方に振り込んであるから貰ってくれ、いや~、本当にありがとう。武器を作る時は安くしてあげるよ」
「はい、じゃあ、俺達はギルドに行きます」
「ああ、またね」
鍛冶屋を出てギルドに向かった。受付に報告した。
「はい、それでは報酬の4500ゼルと百夜の杖です。お受け取り下さい」
「ありがとうございます」
クエストギルドから出て酒場に行く。今日の祝勝会と報酬の分配をするためだ。
「とりあえずかんぱーい!」
ミリアがジョッキを掲げていう。
「「かんぱーい!!」」
カチン
とジョッキをぶつける。で、飲み始める。ゲーム内なのでアルコールOKだ。
「勝ったね~」
「そうだな、じゃあ報酬の分配するぞ。とりあえずゼルは1500ずつな」
1500ゼルをそれぞれ2人に渡す。
「で、杖はミリアにっと」
酒場で杖を出すわけにもいかないからメニューのトレードでミリアに渡す。
「どうぞ、ラグの丸焼きとアリマリスのスープです。それではごゆっくり」
なんかよくわからんものの丸焼きと緑色のスープを店員が持ってきた。
「誰だ、こんな高そうなの頼んだの!」
「良いだろカイトどうせお前の奢りだ」
「俺のかよ!」
「楽しそうね」
アリアがやって来た
「あ、アリアさん、どうです、カイトの奢りなんですよ」
ミリアがアリアに言った。余計な事を。
「そうなんだ、じゃあ、遠慮なく」
この日は真夜中までドンチャン騒ぎだった。俺はあまり飲まなかったからみんな宿屋まで運ぶ羽目になった。
翌日、俺以外みんな二日酔いになったのは言うまでもない。
カイトスキル 現在
片手剣スキル熟練度28
両手剣スキル熟練度27
短剣スキル熟練度15
武器防御スキル熟練度25
投擲スキル熟練度15
索敵スキル熟練度27
見切りスキル熟練度26
回復補助魔法スキル熟練度16
火魔法スキル熟練度24
体術スキル熟練度20
常時装備発動スキル
筋力スキル熟練度25
俊敏スキル熟練度19
跳躍スキル熟練度20
受身スキル熟練度27
体力スキル熟練度23
魔力スキル熟練度18
耐久スキル熟練度29
アキラスキル 現在
弓スキル熟練度17
短剣スキル熟練度15
投擲スキル熟練度17
武器防御スキル熟練度9
索敵スキル熟練度26
回復補助スキル熟練度18
風魔法スキル熟練度19
雷魔法スキル熟練度25
体術スキル熟練度15
調合スキル熟練度5
常時装備発動スキル
筋力スキル熟練度18
俊敏スキル熟練度24
跳躍スキル熟練度27
受身スキル熟練度18
体力スキル熟練度19
魔力スキル熟練度26
耐久スキル熟練度19
ミリアスキル 現在
火魔法スキル熟練度20
水魔法スキル熟練度18
風魔法スキル熟練度18
雷魔法スキル熟練度27
氷魔法スキル熟練度13
土魔法スキル熟練度11
無魔法スキル熟練度10
幻魔法スキル熟練度9
回復補助魔法スキル熟練度17
召還魔法スキル熟練度8
常時装備発動スキル
筋力スキル熟練度14
俊敏スキル熟練度12
跳躍スキル熟練度12
受身スキル熟練度10
体力スキル熟練度16
魔力スキル熟練度25
耐久スキル熟練度13