終わり
全てが燃えていた。
人間が築き上げてきたもの全てが紅蓮の炎と異形の怪物が破壊していく。
そんな中で二人の男が相対している。
片方は二本の禍々しい剣を持った白髪赤眼の男。
もう片方は一本の剣を持った赤髪の男。
「どうして、どうしてこんなことをするんですか。カイトさん!!!」
「…………そこをどけ。どかないならお前も殺す」
「……あなたは変わってしまったんですね。なにがあったのか知らないけどあの人たちを裏切るなら僕はあなたを斬る!!」
赤髪の男――アルトが剣を白髪赤眼の男――カイトに向ける。
「…………わかっているのか。ここはグローリアじゃない。現実だ。この意味がわかっているんだろう」
「ああ、わかっているだけど僕があなたの目を覚ましてやる。うわああああああああああ」
アルトが剣を振り上げカイトへと疾駆する。それは人間が出せるスピードではなかった。だが、カイトはその上を行った。
「悪いな」
カイトが剣を振るった。それだけで大気が斬れ、炎が真っ二つになる。そしてアルトが血を吹き出し倒れた。
「…………これが俺の使命なんだ」
カイトが立ち去ろうとすると白衣の女が現れた。ブロンドの髪と翡翠色の瞳の女。グローリアで鍛冶屋のルイを名乗っていた女。
「ルイか」
「まあ、そうだが。それは偽名だ。私の本当の名はノアだ。狭間由宇により選ばれた十三使徒の一人だ」
ルイことノアがアルトを抱き上げる。
「なぜ、手加減した」
「…………さあな。気まぐれだ」
「…………君はそれで良いのか?」
ノアの問いにカイトは一瞬考える素振りをする。
「…………いいわけはない」
そう答えた。
「そうか。さて、では、私は行くよ。これから忙しくなるからな」
「アルトを頼んだ」
「任せておけ。向こうでは鍛冶屋だったが私は本来医者だ。それに聖櫃の管理は私の仕事だからな。さて、では行くとしよう。ではな」
ノアはアルトを抱えてどこかへと消えた。
「ヒヒヒ、この時が来たんだね~」
人形師が行く手をさえぎる。
「邪魔をする気か」
「ヒヒヒ、するわけない。ワタシたち使徒が狭間由宇から与えられた役割は聖櫃の管理なのだからね。じゃあ、君の作る結果を見せてもらうよ」
人形師がカイトの前から消えた。
カイトは歩みを再開する。何かを求めるように。再び目の前に、何かが現れる。半透明の少女。
「誰だ」
「私は監視者。名前はサヨです。狭間さんによって選ばれた使徒の一人です。聖櫃の管理をしています。あなたは、それでいいのですか? 彼が守ったものをあなたは踏みにじるのですか」
「彼が誰かは知らないが。これしかないんだ」
「そう、ですか。あなたは…………では、もう引き止めません。この先にあなたの求めるものがあります」
「そうか」
カイトは運命に向かって歩く。
「どうして、こんなことになったんですか。どうして、こんな、こんなにも世界は非常なんですか。ねえ、隼人さん」
サヨの呟きを聞くものは誰も居なかった。
そして、カイトの前に運命が現れた。
どうも、テイクです。
グローリアオンライン、これにて終了と言うことにしたいと思います。
ここまでご愛読いただき本当にありがとうございました。
皆様のおかげで私はここまで来ることが出来ました。
本当にありがとうございます。
それではまた、私の別の作品で会いましょう。
ありがとうございました。