第七話 出発
「それじゃあ、君たちの修行も兼ねて一回世界を見て回ろうか」
アリアがそう提案した。
「それなら塔でも修行はできるはずじゃないのか?」
俺は思ったことを口にした。
「それじゃ、他のプレーヤーもいてはかどらないからね。それに私の師匠が言ってたし。世界を見れば新たな発見があるだろうってね」
「ふ~ん。そういうものなのか」
「そういうものよ、とりあえず二人は準備できてる?」
アリアがアキラとミリアに聞いた。
「はい。出来てます」
「私も~。一応主要の魔法が使えるようにしてるよ」
「それは心強いな」
「よし。じゃあ、さっそく行こうか」
アルベールの門へ向かう。たった一日しかいなかったがいろいろな経験が出来た街だった。今度はもっと強くなって戻って来よう。そう心に誓う。
「旅に出るのであけてください」
アリアが門番に言う。
「あいよ、幸運を」
ギ、ギ、ギと門が開いていく。門が開いて一陣の風が俺の顔をなでる。門の外には広大な世界が広がっていた。
「すげえ」
この光景は一生忘れないだろう。
「で、まずはどこに行くんだ」
「北よ。まずは北にある国ノブルエルの首都ゲーテルを目指すわ」
「北か」
目指す方向は決まった。俺たちは街道を歩き出した。
それから数時間森の入り口に着いた。少し休憩となった。そこでアリアが言った。
「とりあえず、これからの方針として私は出来るだけ手はださないから」
当たり前だな。アリアが手を出したら修行にならない。
「この辺りのモンスターはどれも弱いから戦闘に慣れるのにちょうどいいわ」
確かに見渡してもあまり危険はなさそうだ。
「というわけでこれからみんな個人で行動して戦闘に慣れてきて、そうね、森に現れるラグリアっていうトカゲみたいなのを十匹倒したら戻ってきてね」
「わかりました」
「じゃあ、いってらっしゃい。ちゃんとあなた達の状態はちゃんと見ておくから」
俺たち三人は森に入った。
「わかってるな。アキラ」
「ああ」
「どっちが早く終わるか勝負だ」
「負けないぞ」
「私もやる」
「よし、それじゃあ、スタート!!」
俺たちは一斉に三方向に駆け出した。
カイトside
「まずはラグリアを見つけないとな」
その瞬間何かが飛び出してきた。
「なんだ!!」
見るとトカゲのようなモンスターだった。ステータスを確認する。
「こいつがラグリアか」
トカゲみたいだが大きさは1m位で鱗が黒色だ。
「いっちょ行きますか!!」
背中のバスタードソードを抜いてラグリアに斬りかかる。が避けられた。
「キェエエエエエエエエエエエ!!」
しかもなんか奇声を上げている。かなりいやな予感がする。
俺の予感は的中した。なんと仲間を呼んだのだ大量に。
「うわ~。さすがに気持ち悪いな。でも。これで探す手間が省けた。行くぜ!!」
俺はバスタードソードを片手に持って大群に突っ込んだ
****
アキラside
俺は木の上に登った。
「ここからなら、よく見える」
ラグリアを探して見渡すといた。
「いた。距離100m位だな。風なし。よし」
ゆっくりと弓を構え矢を引く。
「す~はあ~」
一回深呼吸して気を落ち着かせる。狙うは頭。息を止め矢を放つ。
矢はラグリアの脳天に直撃した。
「ふう~。当たってよかった。さて、次だ」
すかさず次の獲物を探す。
「居た」
弓を構え矢を引き放った。しかし矢は外れて隣の木の幹に刺さった。
「チッ!」
すかさずもう一発放つ。今度は命中した。
「ふう、集中しないとな」
気を引き締めて新たな獲物をさがす。
****
ミリアside
「ラグリアってどこにいるんだろ?」
私はラグリアを探して歩き回っていた。
「う~ん、面倒だから焼き払っちゃえ、fire」
私のてに火球が出てくる。魔法はイメージらしい。既存の魔法もあるけど新しく作ることも出来る。
「行け!」
火球でその辺りを焼き払う。
するとぞろぞろとラグリアが出てきた。
「よし、じゃあ、後は一気に、Thunder!」
雷が私を中心に広がるようにイメージする。雷がラグリアを襲う。ラグリアは黒こげになっていった。
「ふう~、どうだ」
しかしラグリアはまだまだ出て来る。
「ヤバイかも」
ひとまず逃げる事にした。
****
俺達が森に入ってから六時間あまりが経っていた。
俺達三人はボロボロの状態でアリアの所に戻った。
「おかえり、遅かったね」
「遅かったじゃありませんよ。ラグリアが仲間を呼ぶなんて聞いてませんよ。しかも殺せば殺す程増えるなんて」
俺はアリアに言う。
「言ったら意味ないじゃない。それに修行になったでしょ。あとこれ師匠が考えたんだよ」
恨むぜ師匠とやら。
「まあ、もう日が暮れそうだし今日はここでキャンプ。準備は出来てるよ。あとご飯もね」
「なら、今すぐ食べよう」
「賛成」
「私も~」
俺の言葉にアキラとミリアが賛成する。
その日は疲れてたからさっさと眠りについた。ちなみにアリアの料理が異様にうまかったのはまた次の機会に語ろう。
翌日、グローリア暦三月二十四日
昨日の戦闘の疲れはだいぶ抜けたがまだ疲労感は残っている。
テントから出ると既にアリアは起きて朝食を作っていた。
「おはよう、カイト君」
「おはよう、アリア、二人は?」
「まだ寝てるみたいよ」
「そうか」
まあ、昨日あれだけ戦ったからな。当たり前か。俺もキツいし。
「そろそろ朝食出来るから起こしてきて」
「わかった」
アキラが寝ているテントに行く。
「おーい、起きろー!」
容赦なく叩き起こす。
「う、うぅ、ああ、カイトか、おはよう」
「ああ、起きた所で悪いがミリア起こしてきて来てくれ」
俺がテントから出て行こうとすると。
「待て、俺に出来るわけないだろう。カイト、お前も知ってるだろミリアの寝起きの悪さを!」
「当たり前だ。だからお前に頼んでるんだろ。じゃ、頑張れ」
俺はさっさとテントを出て行った。
「待ってくれー!、まだ、死にたくない!」
その後、ミリアを起こしに行ったアキラを火球が襲ったそうな。
「う~、眠い」
「はいはい、ほら、水飲め」
ミリアに水を渡す。
「ありがと、後なんでアキラは黒こげなの?」
「いろいろあったからな」
「ふ~ん」
「ほらほら、みんな、朝食出来たから来て」
アリアが呼んでいるので行く。アキラは復活したようだ。
これまた美味しい朝食をいただき、テントを片付けて出発する準備をした。
「じゃあ、行こうか」
北へ向けて俺達は歩き始めた。
「アリア、ノブリエルまでどの位かかるんだ」
「そうね。まあ、ざっと二週間位ね」
二週間か、結構かかるな。
「あ、大丈夫よノブリエルまで他にも街があるから」
「そうなのか」
「今はちょうど中間にある街ラミサブルに向かってるの。後五日で着くはずよ」
アリアの言葉通りラミサブルには五日で到着した。道中モンスターの大群に襲われたり、山賊に襲われたりしたがなんとか無事に到着した。
俺は新しい街に入る期待を感じながら。
カイトスキル 現在
片手剣スキル熟練度20
両手剣スキル熟練度19
短剣スキル熟練度12
武器防御スキル熟練度17
投擲スキル熟練度12
索敵スキル熟練度18
見切りスキル熟練度15
回復補助魔法スキル熟練度14
火魔法スキル熟練度12
体術スキル熟練度18
常時装備発動スキル
筋力スキル熟練度15
俊敏スキル熟練度13
跳躍スキル熟練度14
受身スキル熟練度18
体力スキル熟練度15
魔力スキル熟練度9
耐久スキル熟練度19
アキラスキル 現在
弓スキル熟練度14
短剣スキル熟練度12
投擲スキル熟練度13
武器防御スキル熟練度5
索敵スキル熟練度14
回復補助スキル熟練度6
風魔法スキル熟練度14
雷魔法スキル熟練度9
体術スキル熟練度4
調合スキル熟練度1
常時装備発動スキル
筋力スキル熟練度12
俊敏スキル熟練度15
跳躍スキル熟練度16
受身スキル熟練度6
体力スキル熟練度10
魔力スキル熟練度14
耐久スキル熟練度10
ミリアスキル 現在
火魔法スキル熟練度18
水魔法スキル熟練度17
風魔法スキル熟練度18
雷魔法スキル熟練度14
氷魔法スキル熟練度13
土魔法スキル熟練度11
無魔法スキル熟練度10
幻魔法スキル熟練度9
回復補助魔法スキル熟練度17
召還魔法スキル熟練度8
常時装備発動スキル
筋力スキル熟練度6
俊敏スキル熟練度5
跳躍スキル熟練度8
受身スキル熟練度5
体力スキル熟練度8
魔力スキル熟練度17
耐久スキル熟練度8