第十五話 終わりは唐突に
学園を後にしたあと、色々あった後、ようやく、目的の材料をあと一つというところまで集めることが出来た。今までいろんなことがあった。語らないが。別にサボりとかじゃない。特に厳しいこともなかったからだ。え? カノンとの関係? 変化なしだよこんちくしょう。くそう、そこ、へたれとか言うな。僕も思ってたことなんだよ。おいこら。
まあ、そんなこんなでようやく僕たちは最後の材料がある場所へとやって来た。ここはカイトさんたちが世界に羽ばたいた場所だそうだ。ティアさんが言ってた。ティアさんは、今はギルドに帰った。こっちに来る前にさすがにサボりすぎていたらしい。まあ、結構助けてもらったから、感謝しつつ帰した。
そして、僕たちだけで、この場所までやって来た。今は、始まりの島と呼ばれる場所。あの千層の塔がある場所。そう、あの魔王とカイトさんたちが戦った場所だ。当時はこの千層目は闇に覆われていたそうで、カイトさんが魔王を倒した瞬間、青空が広がったそうだ。今も、その青空は広がっている。
「ここが、カイトさんが魔王と戦った場所か」
「なに考えてんだアルト」
「ん? 色々だよ。色々あったからな」
「そうだな」
旅の最後の目的地がここであったことで、色々と思い出されるし、考えさせられる。
「…………その話って、ギルドマスター?」
「そうだよ。カイトさんだ」
「…………あの魔剣のカイトのギルド……ワタシも入って良い?」
「俺はいいぜ。なあ、アルト」
「ああ、僕もうれしいよ。でも、どうして?」
「…………わからない。でも、この旅が終わると、別れ離れになる。それが嫌だったから?」
疑問系。何で疑問系? でも、カノンが残ってくれるのはうれしいな。チームとしても、バランス良いみたいだったから。
「(お前はそんなことよりも、さっさと恋人になれよ)」
「(うるせー、大きなお世話だよ)」
「(へたれめ)」
「(へたれでわるかったな)」
最初に謝ったよ。
「それで、最後の材料魔王の瞳ってどこにあるんだ?」
「話題をそらしやがったぜこいつ」
うるせー。これ以上話す気はないんだよ。お前と話してるとうるさくてしかたないぜ。
「魔王に関係あるかもってことでここに来たんだが…………」
周りを見るケイン。
「何もないな」
「う~ん、ここ以外に僕は知らないんだけど」
「…………あれは?」
そこには、黒い穴が開いていた。さっき話している時に空いたようだ。
「うん、怪しいな」
「怪しい」
「…………行く」
「だよな」
「行くか」
さっさと行ってさっさと戻ってこよう。
僕たちは穴に足を踏み入れた。穴を抜けた先は闇が広がっていた。そして、空席の王座。空席の王座の上には球体が浮いている。
「ほう、ここに訪れる者が居ようとは」
「「「!!?」」」
「魔王の瞳がお望みか? お前たちが二人目だ。最初に一人は、見た目が子供の女だったが」
目の前に、白服のカイトさんが居た。何、このカイトさんの2Pカラー。そして、子供って、あの人では? あのルイさんでは? だって、ここにこれそうな見た目が子供の女って行ったらもうあの人しかいないだろう。ってことはあの人魔王の瞳もって立ってことですか? うへ~い、何であの人は渡してくれないんだよ。
「まあ、いい。お前たちもこれが居るのだろう。これは、対で初めて効果を発揮する。だからこそ、もう一つを取りに来いとあいつに行ったのだが、そうか。お前たちが来させられたのか。まあ、いい。さあ、武器を構えろ。闘争の始まりだ」
唐突過ぎる。っておい!! 何で、ケインとカノンは何の迷いなく、武器構えてるんだよ!
「ああ、もう、わかったよ!!」
ここまで来たら僕も馬鹿になるよ!!
「行くぞ!!」
「「おう!!」」
そうして、僕たちは、白のカイトさんとの戦いが始まった。
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少し早いが、ここで僕たちの物語を終わろうと思う。
語ったことは少ないし、適当だったが、これは番外編。あくまでも番外編なのだから。
さてと、色々とはしょりついに最後です。
はい、すみません、こんな終わり方で。
次回、エピローグで、この長かったグローリアオンラインを終わらせたいと思います。
長い間ご愛読ありがとうございました。