第十三話 侵入
お待たせしました!
PC復旧後、執筆意欲増加により、予定変更で更新です!
学校はとても巨大だった。おそらく外でいう小学校、中学校、高校が一緒になっているのだろう。まあ、現実世界と違って、石造りの建物で機械類はまったくない。それに、聞いた話では教育内容もこのグローリアのついてのことらしい。現実のことを何一つ教えないというのもどうなのだろうかと思ってしまうが、底の所は心配ないらしい。そのあたりは元からダウンロードするらしいのだ。
ダウンロードとは、人間の脳に直接情報を書き込むことだ。それによって現実の情報を一瞬で植えつけてしまうらしい。体にいいのか悪いのかわからない技術だ。というか、それなら僕たちが現実世界で勉強する必要なかったんじゃないか?
とまあ、先ほど述べたことはこの学校の情報を検索して出てきたことをそのまま言ったことなんだけどね。
「で、どうするんです?」
「とりあえず、校長室に行って禿げているか確認する」
ティアさんが物凄いことを言った。
「はい?」
え~っと、さて、ティアさんは今なんと言った? 校長室に行って校長が禿げているか確認する? Why何で? それ、必要? いやいらないだろ。失礼極まりないし、禿げを確認してどうするんだよ。バカにするのか? それこそ、終わる気がする。何かしらの警備手段とかで。失礼なことをされたら困るのですが。それとなく視線を送るがまったく気づいてくれなかった。
「さあ、行くわよー!」
「「おー!!」」
「いやいや、おーじゃないだろ!」
待て待て待て!!
「お前らまで、なにしようとしてるんだ。って、そのダンボールはどこから持って来た!!」
なんで、ダンボールに入って潜入しようとしているんだよ。無理だよ。この石造りの学園でダンボールとかものすごい目立つから。
いや、灰色に着色したところで同じだから。意味内から。って、ええ!? なでばれてないの。おかしいだろ。明らかにおかしいだろ。なのになんで誰もあのダンボールに反応しないわけ!?
って、待て、落ち着け僕。落ち着くんだ。そうだ、落ち着け。スーハースーハー。深呼吸して。ふう、落ち着いた。
さて、とりあえず、あのダンボールはスニーキング用のアイテムだと考えよう。そうすればこの違和感も消える。ああいうアイテムには隠蔽効果がついてるからな。それでも誰の趣味だか知らないけど製作者には物申したい。まあ、無理なんだけど。だけど、あの形状じゃなくてもよかったはずだ。マントとかでもよかったと思うんだよ。
「(おい、アルトなにやってんだ。お前も早くかぶれ。見つかるぞ)」
ケインが小声で言いながら僕にも灰色ダンボールを差し出してくる。ダンボールがダンボール渡している光景ってシュールだ。それにもう絶賛見つかっている気がするんだけど。
「はあ、わかったよ」
もうやれば良いんだろやれば。
そんなわけでダンボールをかぶる。するとあら不思議。誰にも見られないようになった。本当にこれステルス性高いなおい。隣を歩いても誰も気がつかないし。何でこれ出回ってないんだよ。そこでダンボールのデータを見る。人形師工房製。聞いたことがない。新人なのだろうか。でも、それなら、この性能のダンボールを作れるわけがない。知られていないだけなんだろうか。
まあ、良いか。もう、そんなこともどうでもよくなってしまった。そして、いつの間にか校長室の前についていた。