第十二話 とりあえず情報を集める奴を変えよう
グレイ山脈に向けて旅をし始めて三日目、ルーヘイという海辺の街に到着した。保養地として造られた街だ。全体の家は真っ白で街自体が真っ白で青い海と合い一種の芸術のような美しさを奏でている。また、猫が多い。こういう保養地ならではのマスコットらしい。おっとりとした性格なのか、スリスリと寄って来る。
「綺麗な街ね~」
ティアさんの街に入っての感想がそれだった。しかし、ここ結構金持ちが来ているせいか物価が高いのだ。あまり立ち寄りたくなかったのだが、ティアさんに休みは必要よと言われ押し切られてしまった。まあ、確かに休みは必要だったのは確かだ。カイトさんが言ったとおりなんかティアさんに引きつけられるモンスターが多く今までほとんど戦いばかりだったのだ。だから、確かに休みが欲しかった。でも、それは別の近くの街でも良かったと思う。こんな高級そうなところに来る必要はなかった。
「はあ~、お金が」
「気にしない気にしない。私がおごってあげるから」
「本当ですか!?」
それならいいんだよ。というか自分の分は自分で出してくれれば。そう、別に何も言わない。それにおごってくれるのなら素直に受けるのが後輩の務め(?)だ。
「本当。これでも迷惑かけたって自覚はあるし」
自覚があるってやっかいですよね。
「お~い、アルトー!」
情報収集に行っていたケインが戻ってきた。走って戻ってきているし、何か顔が嬉しそうだ。良い情報があったのかもしれない。まあ、単純に女プレイヤーに会っただけもしれないけど。
「どうだったケイン?」
「この近くに学校があるらしいぜ。グローリアチルドレンの」
グローリアチルドレン。グローリアで生まれた子供のことだな。この辺はそういうのが多いのだろう。
しかし、何でそんなにケインは嬉しそうなんだ? お前好みの何かがあるとは到底思えないのだが。
「ほほう」
あ、ヤバイ。ティアさんが何か面白いことを見つけたみたいな顔してる。というか面白いこと見つけたんだろうなあ。
「じゃ、行こっか♪」
はい、そうですね。わかってましたよ。でもさあ、一応こちらには目的があるんですよ。それを差し置いて、って何でカノンは着いて行っちゃうの!? ああああ、もう勝手に行くことに決まってるし!!
「待てっておい!」
さっさと行ってしまったみんなを追う。
「それでケイン、街を出たはいいがアポもなしに入れるのか?」
そういった教育現場って大抵許可ないと入れないような気がするんだよ。だって、こんな剣とか色々もった人間が教育現場に行くって明らかに教育に悪くないか?
「大丈夫じゃないか? ゲームの世界だし」
まあ、確かに、この世界観の中にある学校なら大丈夫とも思えるんだけど。まあ、そこはほら、倫理的にというか。まあ、モンスターを倒しまくってる奴が倫理とか何を言ってるんだと思うんだけどね。この数年で確かに最初は気になってたモンスターを殺すことに慣れてしまった。
「それもそうか」
「さあ♪ さあ♪ 行くわよ」
ティアさんに無理矢理押されながら、僕達は学校の中へ入っていった。