第一話 出会い
お待たせしました。え、待ってない。それでも気にしません。
番外編です。まずは、第一章エピローグで出ていたアルト君の物語です。
それではどうぞ
憧れのギルド黒き翼に僕が入って二年が経ちました。ようやく僕も一人前になって来たと自負しています。
「ふう、ようやく一人で上位クエスト行けるようになったぞ」
上位も危なげなくこなせるようになり今は森にアイパリアと言うモンスターを狩りに来てちょうど終わったところだ。
「でも、カイトさんたちはもっとすごいんだよな~」
正直自分と同じ人間なのかと疑ってしまう。ギルド内のランキング戦でもいつも上位だし。
「凄いよな~」
でも、いつか僕もそんな人たちに追いつくのが目標です。
「よし、報告に戻ろう。それにしても新しい国が建てられて首都が建設中。あと二年で完成予定か。そしてらそこに本部移すみたいだし楽しみだな」
そのためのモンスターを狩るクエストが出てるからかなり稼ぎ時なんだよな。
「ん?」
その時何かの気配を感じた。索敵スキルを鍛えてるから何かを捉えたのかもしれない。反応は茂みの置くからだった。
「行ってみるか」
一応剣を抜いておく。そのまま、茂みへと入っていった。茂みの奥では明らかにこの地域では出現しない二足歩行のモンスターとそれと対峙している少女がいた。見るからにやられそうだった。
「危ない!!」
茂みから飛び出し少女を抱えて跳ぶ。一瞬前に少女がいた場所にモンスターの拳が通り過ぎた。
「危ねえ!!」
腕の中の少女を見ると驚きで目を見開いていた。っと、まずはアイツを何とかしないと。アイテムで相手のステータスを確認する。
半透明の画面が表示される。
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name:Nomad
MP:0
SP:0
黒い外骨格に覆われた体を持つ二足歩行の魔物。
弱点は目
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このグローリアオンラインで表示される敵の情報は少ない。何しろHPはないのだから。だけど、狙うべき場所はわかった。これがカイトさんとかになると関係なくやるんだろうけど。
「ここで待っていて」
少女に言って僕は剣を抜いた。
「行くぞ!!」
僕は剣を構え走り出す。その間にノウマードがその腕を振り上げて振り下ろす。
「おっと!!」
僕はその攻撃を避けて頭を狙い剣を振る。
ガキィン!!
「くそ!!」
だが、僕の斬撃は固い外骨格に阻まれた。目を狙ったのだが小さくて狙いづらい。その時氷の魔法が放たれた。放ったのは少女。しかし、その魔法も防がれる。しかし、動きが一瞬とまる。
「今だ!!」
その出来た一瞬の隙を突いて僕はその目に剣をつきたてた。ノウマードが粒子となって消滅する。周囲を警戒するが他にモンスターはいない。というかカイトさんたちが狩っていたおかげなのかなたぶん。じゃないと他のモンスターとか出てきてるよ。
「ふう、ありがとう助かったよ」
少女が近づいてきたのでお礼を言う。彼女の魔法がなければ危なかったかもしれないし。
「……借りを返しただけ」
素っ気無く少女は言った。名前知りたいな。聞いてみよう。
「ねえ、君の名前は? 僕はアルト」
「…………カノン」
「カノンかいい名前だね」
「…………そういわれたのは初めて。とりあえず借りは返したありがとう。それじゃ」
カノンは立ち去って行った。僕にはその姿を見守るしか出来なかった。
これが僕とカノンの最初の出会いであった。
この番外編は本編と違いもう少しグローリアのシステムに踏み込んだ内容にする予定です。本編ではカイト君たちがチートすぎたんです。今度は一プレイヤーとしての生活をかけたらいいなと思います。
ていうかこの番外編たぶんスピンオフなんじゃなにかなと思うんですが気にしません。
恋愛もかけたらいいな。本編があんな感じだったんで。
次の更新は未定ですので今しばらくお待ちください。
ではでは~